昼夢夜想者と惰気満々人─Deireadh sona Rómánsacha は ありえない!─

卯月普賢

月の下で君は笑っている


 あぁ…今日は災厄日だ。



 朝は、ミサ中に自動人形オートスコアラー達を引き連れてにこやかに、教会に入って来るわ(勿論、ミサ中だった訳で、街の人達も参加していて驚きと少し恐怖のどよめきが上がったけれど…当の本人は後ろの隅に座って終わるまで大人しくしていたのに私は、驚いてる)



 昼は、使い魔を寄越してアレの屋敷で読書(というよりアレは…まるで子ども達にする読み聞かせだ…)を強要され


 夕方になれば「客人には、振る舞うものだ…」と自動人形オートスコワラー達の作ったディナーを食べさせられた(化石級の古代式の癖に、味は一級なのがまた腹立たしい…)


 夕食後「帰る」と告げ夜の帳が下がる前にさっさと帰路につく事が出来た。(………と言っても、アレが送っていくと煩く断ると「俺を独りにしないでおくれ…」と泣き付かれ引き剥がすのに苦労したわ)







 …もう今日は疲れた。

 無事に教会に着いてから事を済ませ、やれ後はベットに身体を預けよう…とした時に教会のドアが鳴る。




 何度も

    何度も

         何度も……





                今は夜


                   残念なことにアイツの時間






 気怠い身体を起こし扉を開けると




「おはよう、俺の愛しいマリア」









        あぁ…月を背にアイツが嬉しそうに笑ってる・・・・






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