第207話 僕の嫁はオークの酋長達……(30)

 そう~? 健太(白馬の王子さま)自身は、彼女のことを今の時点では? どう思っているのは知らないが?


 比の国の女王ルインの方はもう既に、健太(白馬の王子さま)の妻だと思っているから。彼に対して長々と不満を告げる。


 そう~? 下着を着衣していない優艶な容姿でいる妻を夫であるあなたは~? 大衆が沢山いる中に、一人放置してこの場を去るのかと?


 それもさぁ~? 比の国の女王ルインが珍しく赤面~。しおらしい仕草で~。照れ恥ずかしそうに~。健太(白馬の王子さま)へと不満を漏らす。


 でッ、それを聞いた健太(白馬の王子さま)はと言うと?


(言われてみれば? ルインさんの言う通りだ……)


 と、素直に思う。


 そう~? これが? 彼女の邪な策? 健太(白馬の王子さま)の妻になるための求愛行為だとも知らずにね。


 と、なれば?


 健太(白馬の王子さま)は? 恋愛シネマや小説……漫画のアニメ中に出演する主人公達のように。彼は何も思案もしないで、比の国の高貴なお姫さまこと? 女王ルインの華奢手首を『ギュ~』と、強くに握り、強引に引っ張り──。また急ぎ足……ではなく?


 この大衆が沢山いる場所から、女王ルインの手を強引に引っ張りながら駆け足で走りだすのだ。


「ルインさん~! 男のくせに~! 気が利かない僕で~! 本当に申し訳ない~。そして~、ごめんなさい~」と


 比の国の女王ルインに背を向け──手を引きながら大衆が沢山いる中をかきわけ走り抜けていくのだ。


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