第162話 健太とウォン(5)

 自身の横──。王の席と呼んでも良い席には、ウォンではなくて健太を据えるべきだと我等は思うのだよ。


 そして~? 他(ほか)の国の女王や王、領主などに、自身の主となるべき健太(王)を紹介と挨拶をするべきだと思う?


 なのに~? 女王アイカは~? 国の大事な行事に、健太を一族の者として参加をさせることもしないで。彼女は例年通りの、自身の横には元彼……。元婚約者である、ウォンを据えた……。


 それも女王アイカは~? ウォンとは今迄何も問題なく去年の祭典から過ごしてきたかのように装い振る舞いながら。今回の祭典を今迄過ごしてきたのだ。


 そう~? 他(ほか)の国の女王や王、領主達などに、女王アイカとウォンが不仲になっていることを悟られないようにする為にと、こんな茶番劇──。振る舞いなど、彼女は最初からしなければ良いのにと、我等は思う? 健太のことがこんなにも大事ならばね~。


 だって~、女王アイカ自身が、平民扱いをした情けない他種族の元王候補? である健太を、体調を崩した今年の祭典でも、王候補だと他国へと示したウォンの代わりに、格闘相撲大会への選手として出場をすることを一族の者達の前で必死に庇うものだから。


 最初は自分では、戦士ウォンの代わりは荷が重い──。無理だと拒否を示した健太の口からも。


「えっ? ウォンさんが言っていることをするぐらいの行動ならば~。僕でもできるかも……と言うか~? 僕にやらせてください~! がんばりますから~!」と。

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