第160話 健太とウォン (3)

「む、無理よ~。健太(このひと)が~。格闘相撲大会の選手だなんて~。絶対に無理~」


 と、此の国の丞相であり。女王アイカの義理の母であるシルフィーが、最初に口を開けば──。


 彼女に続くように次から次へと、ウォンに対して不満が放たれるのだよ。

 こんな感じでね~?


「お、おいウォン~! 何を考えているのだ~! 家の殿は、武には向かないから。誰か他の者を当たってくれ~」


「そ、そうよ~。ウルハの言う通りだわ~。私(わたくし)達の健太さんは~。智を得意とするタイプで~。武には向かないから~。他を当たってください~。ウォンさん~」


「うん、そうだよ~。プラウム姉の言う通りだよ~。サラの健ちゃんは~。頭が賢いのがうりで~。争いには向かない子だから~。他を当たってよ~。ウォン~。ねえぇ~? エリエ姉もそう思わない~?」


「ああ~。確かに皆の言う通りだ。家の御方は武に向くタイプではなく。智に優れたタイプだから。格闘相撲大会等は無理だ……。それこそ? 御方が出場をすれば? 敵のカーンに殴り殺されてしまう……。だからウォン? 体調を崩していようが、お前が出場しろ! お前以外の者がカーンを相手にすれば。殴り殺しにあう可能性があるから。お前以外では無理だ!ウォン!」と。


 最後は、比の国最強の戦士だと世に謳われる一騎当千の猛者であるエリエがウォンへと、諫めの言葉を告げるのだが~。

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