第132話 祭典(9)

 本当に女王アイカは健太を他の女性(者)達へと盗られてもしならないよ? と、思う。


 だって今やこの此の国を中心とした諸外国も含めて安定期──天下泰平の世が続いている訳だから。各国に住む女性達の異性への好み……感心と言う奴が、強くて荒々しい戦士のような男……。


 そう~? オークの男性達を代表する戦士である此の国の領主であり。一度無くなった女王アイカの信頼度が、また徐々に回復……。次に王候補へと昇りつめようとしている、戦士ウォンから。こちらの世界にきてから、色々な失態を女王アイカに見せてきて、信望を失いつつある王候補……。


 と、言うか~?


 今回の祭典の最中の、女王アイカとウォンの仲慎ましい様子を見て確認をすれば? もう既に、女王アイカの彼への興味が無くなり。王候補から外れてしまったと思われる健太……。


 彼のように、少女のようなひ弱さと、華奢な容姿……。


 そう~? オークの女性達が、自分達が優しく抱き締めて守ってやらないといけないような気持ち……。勇んで荒々しい筈の彼女達が母性本能くすぐられるような、可愛いい異性である。アイドルのような殿方……。健太へと。雷神ライや自身の義理の母……。妹君、従妹を筆頭に、オークの女性達が異性の好みが移り変わっていることに、女王アイカは気がついていないのだよ。


 だから彼女は、少々健太を放置していても、彼の心が移り変わることもないと思っているし。自分達一族の女性(者)以外に健太を『盗まれる』ことはないと自信過剰に思っているのだ。


 この後に女王アイカは、『何処かの国の誰かの?』邪な策に陥り。健太の件で大失態をすることになるのだが。今の彼女……。女王アイカは? 他の国の女王ライの件はもちろん知らないし。彼女は未だ気がついてもいない。



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