第114話 他国からの訪問者(11)
う~ん、でも直ぐに?
その騒めきに喝を入れ、とめる者の荒々しい声が聞こえてくるのだよ。こんな感じでね。
「はぁあああ~。それがどうかしたのかい~? あんた~? それにさぁ~? これは女同士の問題だぁあああ~。男のあんたには関係無い話だぁあああ~。だからあんたは~うちらの揉め事に口を挟むなぁあああ~。分かったかい~? あんた~?」
う~ん、やはり?
彼女は他の国の女王さまだから、一人の少年……。
それも? 自身の婚約者が、『はぁ~』と、声を漏らしながら落胆するほどの、弱々しい、貧弱、貧相な容姿を持つ健太だから。女王アイカのように彼を侮り、見下すように見ているから。健太の諫めの言葉に対して全く聞く耳を持たないようだよ。
う~ん、でもね?
いつもの健太ならば、ここで他の国の女王に恐れ慄き──。畏怖しながら引くのにさぁ~。
今回の健太は一味も二味も違うのだよ。
だって~? 両国の関係の悪化……。
というよりも?
この騒ぎがこれ以上続けば、両国の民が苦しみ、悲しみにふけるようになる。
だから相手が他国の女王だろうが引かない~。
彼もこの世界に召喚をされた理由は、この国の王となるべく召喚をされた『日本のサムライ』なのだから。
怒りをあらわにしながら、自身の髪を鷲掴み──。荒々しく引っ張る彼女へと、痛みに耐え忍びながら、彼は視点を変えて睨みつけるのだよ。
他国の女王を相手にね~。
いつもの気弱で『ヘラヘラ』と笑っては、女王アイカの機嫌をとりながら誤魔化す健太ではなく。
この場の争いを、これ以上酷い物にならないように収めるのだと強い意志を持つ──。勇んだ瞳の健太がこの場にいるから。
遠目から凝視をしていた我等は驚愕……ッて?
驚愕をしているのは、我等だけではない?
この場にいるこの国の女性達も驚愕──!
だって~? いつもの~『ヘラヘラ』……ではなく。いいように例えたら? 日輪のようにいつも微笑んでいる、自分達の健ちゃんではなく~。
他国の女王相手に臆することなく。勇んだ容姿を魅せる彼だから~。
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