第87話 王になれなかった少年の法……(8)

〈ガン~!〉


「はぁあああ~! サラ~! 誰に向かって物申しているんだい~? 物を~? うちは女王とタメで~。あんたよりも年上なんだよ~。わかっているのかい~? サラ~?」


〈ガン~!〉


「い、痛い~。だからどうしたというの~? オバサン~? いい齢をして、家の若い健ちゃんに触れ、堪能をしないでくれる~。オ・バ・サ・ン……」


〈ボカ~ン!〉


「うう~、悔しい~。この小娘が~。未だ子供の分際で~。只今女盛りのうちらのことをオバサン呼ばわりするなんて~。もう~。絶対に許さない~」


〈ガン~!〉


「痛いわね~。オバサン~! 早く~。サラの健ちゃんから離れてよ~」


〈ガン! ガン! ガン~!〉


「痛い~。痛い~。サラ~。私の美しい顔に傷が入ったらどうするの~? サラ~?」


〈ドカン! ドカン!〉


「いッ~。ううう~。別にあんたの顔に傷が、入ろうが、サラに知ったことではないよ~。それに~? あんたの顔に~。少々傷が入っても全然容姿の方は変わらないよ~。それよりも~? 早く~。サラの健ちゃんから離れなさい~」


〈ボカン~! ボカン~!〉


「ううう~。言わせておけば~。このクソガキが~」と。


 我等や健太が、自身の視界を両手使用しながら遮断しないといけない程の、官能的な容子で常に外……。


 国内や集落内を歩き回る。オークの少女や若い女性達……。


 照れ俯く健太の周りに集い──。彼に官能的に迫り。優艶に甘え、戯れ、悪戯行為を繰り返す輩にサラはこんな感じで鉄拳制裁を咥え続けるから。両者の争いはとまらない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る