豆柴のマメタ
野口マッハ剛(ごう)
僕、小六→高一。
がさごそ、がさごそ
かくれんぼをお家でしている
あれ、どこにいるんだろう?
がさごそ、がさごそ
見つからない
ようし、呼んでみよう
マメター!
わんわん!
トコトコと走って来る
なんだ、そんな所にいたのか
次はマメタが鬼!
ついてきちゃダメだよ?
トコトコついてくるマメタ
しょうがないなぁ
お外で一緒に走ろう!
わんわん!
さぁ、競争だ!
僕は高一になって、家もマメタとも一緒に過ごす時間がなくなった
お父さんとお母さんとはケンカをしてばかり
家出をしていた
お前なんか出ていけ!
あー、ハイハイ、出ていくよ
マメタはすっかり大きくなった
可愛くもなんともない
マメタが出ていく僕を見送るようにして玄関で座っていた
マメタ、早くどっかに行ってくれ
わんわん!
バカ犬……
数日後に家に帰って来た僕
鍵が開いてる
あれ、マメタが玄関で座っている?
わんわん!
うっとうしいなぁ!
マメタはクゥンと鳴いた
冬の家出をするのはなれた
さむいけど家に居たら怒られる
あー、でも、金がないから帰るか
雪が降っていた
雪が降っていた
家の前まで来て、道に何かが倒れている?
邪魔だな、なんだろう?
え、マメタ?
雪が降っていた
おい、大丈夫か?
おい、おいってば?
雪が降っていた
雪が降っていた
雪が……
どうして外に居たんだ!
マメタは冷たくなっている
僕はマメタを抱きしめた
雪が降っていた
雪が降っていた
マメタが死んでいた
雪が降っていた
雪が降っていた
雪が降っていた
雪が降っていた
マメタは僕を待っていた
雪が降っていた
雪が降っていた
雪が……
降っていた……
終わり
豆柴のマメタ 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます