第26話 秘密組織カウパーズ


[智久side]



 時は少し遡って、これは純が1週間修行に出ていた間のこと――――――――



  締め切ったとある一室。そこまで広くない室内は暗闇に溢れ、家具などは一切設置されていない。その代わりに中心には淡い吊花色の炎を灯らせた蝋燭がポツンと置かていた。



 そしてその蝋燭を囲むように座る4人の人間。皆、漆黒の外套を深く被り、背中には真っ白な少女の絵柄の刺繍が施されていた。



 彼は『カウパーズ』――――女性の保護・育成・研究を努める秘密組織。メンバーは『スペースレンジ』、『YO☆U☆ZYO!!』、『SMマシン』、『ホワイトチョコより、ビターチョコが好きなように、独身女性より人妻が好きです君』の4人で構成されている。



 我等が組織の長が、淡い蝋燭の炎に照らされた顔で言葉を放つ。



「ついに来たな――――――この日がっ!! 我等が女神の――――――――」



『再臨じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』



 ファイアーダンスを疲労する民族の如く、世界一ジャンプ力の高い民族のようにわっちたちは喜びの踊りを披露する。



「ぜーはー……ぜーはー……ま、まぁ――――落ち着きたまえっ…………しょくんっ――げほげほげほっ――――――」



「うひょっ! お気を確かに隊長ッ!!」



「ぶひぶひ。そうだぜ隊長? 俺たちの戦いはこれからだ――――」



 脂肪の塊から迸るその汗を拭う姿はまさに――――『変態』。く~……わっちは感動しましたっ!!



「そろそろ、女神様が光臨するじかんじゃないかな……?」



「なんと――――それは真かっ! ――――おぉ。これはいけないっ! 良くぞ気がついてくれたスペースレンジ隊員。皆のものっ直ぐに準備をっ!!」



『前戯っ――――――!!』





 場所は変わって、トレダール第6地区初心者育成ギルド――通称、聖地(女神が現れることからそう呼ばれている)。



 今夜開催されるオークションの前に、一目でいいからご拝見しようと参上した次第だ。わっちは既に出禁になっているけど、既にあらゆる抜け道を用意しているのであ~る。ぐふふふ――――――――



 今回隊長たちを案内するのは、女神が光臨されるとされる部屋の屋根裏部屋へと繋がる天国の道。まさにそこは聖地に1番近しい場であり、我等がカウパーズだけが存在を許された地。



「YO☆U☆ZYO!!……おまえ――――さいこうだっ」



「カウパーズのためですっ!!」



 がっしりと握手を交わすわっちと隊長。



「SMマシン。幼女の到着はあとどのくらいだ?」



「ぶひぶひ。もう少しだと思うぜ――――――おっと?? 来たんじゃねぇかっ!?」



 真下で扉が開けられる音が屋根裏まで響いた。わっちたちは予め空けておいた4つの穴に目を突っ込む。



 そしてわっちたちの視界に映ったのは――――――――



『女神っ――――――!!!!!』




 次回っ! 女神とぉ~ごたいめ~んっ!!


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