第107話クジラ祭り

 正に絶品だった、クジラが旨いのか、皇帝クジラだからなのかクジラを始めて食べるメグミ達には判断が付かなかった、しかし、


「見てくださいメグミちゃん、霜降りですよ! なんて柔らかい、生で、お刺身でも美味しいですわ」


「ねえサアヤ、これって火を通さなくても良いの? 寄生虫とか大丈夫なのかしら?」


「ワシの花壇が……」


「その点は大丈夫だよメグミちゃん、ちゃんと検査済みだ、流石は皇帝だねえ、赤身じゃないよ霜降りだよ、ビックリだね」


「普通は赤身なんですか?」


「ワシの花壇……」


「普通のクジラは一部分を除いて脂肪層と赤身で分かれていることが多いんだけど……皇帝クジラは全身が霜降りだよ」


「ナツオの言う通り、普通のクジラの霜降り部位は少ない殆ど無いクジラも多い、寒い海中や外敵から身を守るために分厚い脂肪の鎧を着ているからだろうが、しかし皇帝クジラは違う、この外皮だ、脂肪で身を守る必要が無いから、全身に脂肪を分散しているんだろうか?」


「ハルミさん、それなら温かい海にいる所為も有るんですかね? 寒い海の生き物は防寒の為に皮下脂肪が厚くなるって聞いたことが有るけど、こいつはこの南の暖かい海にいるから、脂肪で防寒の必要が無いって事じゃないですか?」


「花壇……」


「後はこの巨体の所為じゃねえか? この体だ、全身にエネルギー貯蔵してねえと大変だろ? それで使う傍にエネルギーを貯槽する構造として霜降りなんじゃねえか?」


「メグミちゃん。すき焼きも、しゃぶしゃぶも絶品よ、今『ママ』が更にハンバーグやカツも作ってるから」


「ん!!」


「そうねターニャちゃん、ステーキも美味しいわね!」


「ねえかだんのはなのみつすってきていい? ヴィータはにくいらない! ねえみつ! みつすってきていい?」


「ヴィータすき焼きは? あれは甘辛でヴィータでも食べれるんじゃない?」


「ワシの……」


「ヴィータはみつがいいの! ねえ、おはなはつまないからいいでしょ?」


「ヴィータちゃんあそこの庭園の管理してる妖精に聞いてみたら? あの子達がお花の管理してるみたいよ? さっき聞いたら蜜もあの子達が集めてるみたい」


「そうなのノリコ? やったー! わたしいってくるね」


「あの花の世話をしている妖精達って水の魔王の部下なの?」


「雇われてるみたいよ、庭園のお花のお世話する代わりに蜜とか花粉を集めてるんですって、それとお菓子が給料みたい。花壇を荒らしたお詫びにクッキーを差し入れたら色々教えてくれたのよ」


「後であの子達にも謝っておくわ、ヘイロン、クジラの血を寄こしなさいよ、あれ良い肥料になるって言ってたわよね? お詫びの品として肥料造って渡すわ」


「ワシの花……」


「ああもうっ! 鬱陶しいわよ水の魔王! 事故よ、謝ったでしょ! 綺麗に切れてたから花は助かったじゃない! ノリネエの回復魔法で回復したわ! クジラも真っ二つに切れたお陰で解体しやすくなって、こうしてお肉食べられてるでしょ!」


「うぐぅ! しかし花壇が壊れてしまったではないか! 石の広間にも傷が入ったぞ!」


「ふむ、形あるものは何時か壊れるものよ、諦めい、水の魔王」


「お主も反省せい! アルネイラ! お主があんな物を渡すからじゃぞ!」


「旨い、旨いのう、このかつ丼とやらも旨いのう」


我関せずとヘイロンがかつ丼を豪快に書き込みながら旨い旨いと唸る。


「妾はのこのカルパッチョというたか? これが気に入ったのう、しかし量はくえぬ、ふむ、これは前菜じゃな?」


「アルネイラ様、此方のシチューも美味しゅうございます、前菜で冷えた口に程よい温かみかと」


侍女っぽいディアナがそっとクジラ肉の煮込みシチューを差し出す。


「ほうぅ、フム、クジラ肉は煮込み料理にしても旨いのう、これは料理人の腕も良いのであろうな、あの精霊やるではないか」


「くあぁぁ、なんで無視するんじゃ! 大事な花壇じゃぞ? 水理石の綺麗な花壇じゃぞ? ワシの自慢じゃったんじゃ!」


「だから水の魔王、皇帝クジラの骨で隙間埋めて補修したわよ? 良いアクセントよ、前より良いんじゃない?」


 切り裂かれた花壇の水色の半透明な石には、少し透き通った白色のクジラの骨が楔のようにきれいに嵌め込まれている。


「綺麗に埋めたのう、お主器用じゃのう。うむ良い出来じゃと思うの」


ご飯粒を器用に箸で摘まんで口に入れながらヘイロンが褒める、


「これどうやってくっ付けたんだい? 動かないけど?」


ナツオがその補修箇所を撫でながら尋ねると、


「断面が綺麗すぎたのか仮で合わせたらピッタリ嵌ってくっついちゃって、だからそのままです、アレですかね? 隙間が真空になってそのままくっついたって奴なんでしょうか?」


「うーんどうだろう? クジラの骨の成分でくっ付いたんじゃないかな? この骨さっきちょっと調べたんだけど、少しの傷は再生するんだよ、骨だけなのに修復作用を持ってるみたいなんだ、流石、この巨体を支える骨だよね、死んで素材になっても再生機能を失わないなんて」


「ヘイロンの宇宙生物ってのでも思ったんですけど、ナノマシンの様な物で出来てるのかな? 竜種の因子を取り込んだ生物が竜種になるって前に聞いたんだけど、それって竜種にするナノマシンが体に入り込むってことなんじゃないの?」


「ナノマシンか、そう言った生体マシンの様な物が有るのかもね、研究所に持って行って調べてみようか」


「ねえヘイロン、アンタの血も少し寄こしなさいよ、少し調べてみるわ」


「なんじゃの、痛いのは嫌なのでの、断るの」


「あぁっ? でかい体して何言ってるのよ! 大体今のあんたの体って末端の末端でしょ? 切り殺したって本体は死なないでしょ?」


「ぬう、娘、お主何をする心算じゃの? ワシも話すのは構わんが、余り竜種の因子を広めるわけにはいかんのじゃの、分かって欲しいの」


「否定も肯定もしないってことは、この場合肯定ね。やっぱりナノマシンみたいなのが竜種の因子なのね? じゃあそれを取り込めば私も竜種になるのね?」


「メグミちゃん、何をしようとしてるの! 貴方竜種になりたいの?」


「ノリネエ聞いてなかったの? 竜種はね、大きく成るのよ! 背が伸びるのよ?」


「待って下さいメグミちゃん、ちょっと背を伸ばすって話じゃないんですよ? 延々大きくなるんですよ? 巨人どころの話じゃないんですよ?」


「でも背が伸びるのよ?」


「コンプレックス拗らせすぎだろ! アホか? お前アホだろ?」


「でっかいアンタに私の苦労が分かってたまるか! 届かせたいのよ! カナデの面に剣を届かせるのよ!」


「爺さん、ぜってえこいつに血を渡すんじゃねえぞ?」


「大丈夫じゃの、そう簡単に因子は定着せんでの、既に育った者には特にの」


「なっ、何だと……何よそれ! 何とかしなさいよヘイロン!」


「無茶言う出ないの、どんな副作用が有るかもわからんしの、人の身で無茶はするものではないの」


「おい! 貴様ら、ワシを無視して何を話を逸らしとるんじゃ!」


「しかし水の魔王、あの補修痕は妾が見ても良い出来ぞ、見た目もこの者の言う通り良いアクセントに成っておる、悪くない、不満かえ?」


「まあ、良い出来じゃ、悪くはない、しかし! ワシが丹精込めて作った花壇じゃ! なんじゃあの御座なりな謝罪は!」


「五月蠅いわね、だから今犯人は反省させてるでしょ? 剣が勝手に暴走したのよ! 私の所為じゃないわ!」


「のうメグミ、あのクジラの睾丸にぶっ刺した状態で反省になるのか? 『月光蝶』の機嫌を損ねるだけではないかえ?」


シチューを上品にスプーンで掬って口に運びながらアルネイラが問うが、


「竿に刺さないだけ有難いと感謝することね、あんなのに刺した剣なんて使いたくないけど、これも躾けよ」


「魔剣ですか、厄介ですね、ああも明確に意思を持っているとね……」


クジラ肉のお寿司を頬張りながらサアヤが肩を竦める、


「喋るだけで動き回らないだけマシだがのう、あの剣、剣じゃから中性の筈じゃが妙に女っぽいのう」


今度は甘辛いタレの掛かった串焼きを食べながらヘイロンが指摘する、確かに『月光蝶』はなぜか女っぽい、一人称は『ワタクシ』だ。


「睾丸に刺したときの悲鳴が『きゃーーーいやーーー!』だったからな……なんだかな」


塩と胡椒で味付けした分厚いステーキを切らずに齧り付きながらタツオが呆れる、


「なによ動き回る魔剣も有るの? 全く意思が有るのは良いわよ、この地域の剣も精霊が宿ってるから意志が有るしね、けどね持ち主の気持ちに反して勝手に力を解放されたら溜ったもんじゃないわ」


「まあアレじゃ、『月光蝶』も中々その主が見つからんかったのじゃ、少しはしゃぐ位は大目に見てやれ、数百年振りの主じゃ。うむ、まあしっかり躾けよメグミ」


「ん? アルネイラも抜いてたでしょ? あんたが元の主じゃないの?」


「妾は仮じゃ、アレに主が見つかるまで保護しておったまでよ、ふむ、このローストした肉も旨いな、このソースが良い」


照り焼きにローストした肉の塊を薄く切り分けた物を口に運ぶ、


「姫様、此方のお寿司という食べ物も良いですわ、素材の旨さが良く出ています」


アリステリアがアルネイラに勧め、箸を既に器用に使いこなしてあーんと口元に持っていく、


「ほうっどれ、んぐ、ほうほう旨い、この酢飯であったか? バランスが良い」


「まあ、姫様、こちらのすき焼きも美味しゅうございますよ」


反対側からエヴァンジェリンが溶き卵を付けたすき焼きの肉を勧める。


「急かすでない、妾の口が追いつくまいに」


「主様、今ハンバーグとやらが到着しましたぞ!」


「ヒュッケバイン、お主、妾が今言ったことを聞いておったかえ?」


冷たいアルネイラの一言に青ざめたヒュッケバイン男爵は、


「もっ、申し訳ございません、今此方に参ったので聞き逃してしまいました。……なんとおっしゃいましたか?」


「今来たところか、フム、それはすまなんだ、そのハンバーグとやらもそこに置いておけ、順次味見しようぞ」


「ハハッ、直ぐにご用意いたします!」


「うぎゃああああ、違う! 違うだろ!! なんでじゃあぁ」


「魔王様、此方の肉団子大変美味しいですよ、これを食べて落ち着いてください」

「魔王様、御労しい、まあっ此方の御刺身絶品ですわ」

「魔王様、此方のカツも大変美味しいですよ、落ち着いてお料理を食べては如何ですか? 花壇も修理は済んだのですから」


嘆く水の魔王とそちらを気にしながらも適当にあしらい、食事を楽しむ水の魔王の側近の侍女達。


「ぬおぉぉぉ、お主らまで!! 悪魔か! 貴様ら!」


「魔王様我らは魔族に御座います、魔王様の悲嘆、大変美味しゅうございます」

「まさに甘露! お傍に使えさせてもらってこれ程のご褒美、役得でございます」

「力が漲ってきますわ、あら? これは、こんなに美味しいと滾ってしまいます」


水の魔王の側近は流石魔族、中々良い性格をしているようだ。


「うきゃーーー食うでないわ、ワシを食うな! いい、もういい自棄じゃ! 酒じゃ酒をもってこい! ワシも食うぞ! クジラを食ってやる」


「まあまあ、魔王様、落ち着いてください、ほら前に話したニードルドラゴンのソウタですわ、愛らしいでしょ?」


すさんだ水の魔王の前にカグヤがソウタを連れてやってくる、


「むっ、ほうなんじゃ、うむ、愛らしいではないか、大きなハリネズミみたいじゃのう、これがニードルドラゴンか? のうヘイロン、これも竜種か?」


一気に破顔した水の魔王がソウタのお腹のフカフカの毛を撫でながら尋ねると、


「ふむ、因子があるのう、竜種じゃな、にしても娘、これはどうしたんじゃ? まだ幼生であろう? 人の元などに居る筈が無いんじゃがのう」


「シロちゃんも居ますよ? ほら、お手、うーーーん♪ 良い子ね、ほらお肉は未だ硬いからシチューにしましょうね」


アカリもホワイトドラゴンのシロを連れてきて水の魔王の前でお手をさせている。


「ぬぉう、なんじゃこの愛らしい生き物は! 目がクリクリじゃのう、ん~? これか? これが欲しいのか? だがこれはお主にはまだ早い、飼い主の言うことを聞いてシチューで我慢致せ、くふっ、こら何処を舐めておる、そんなに甘えてもやらんぞ、やらんからな」


ソウタとシロに集られてすっかり水の魔王のご機嫌も治ったようだ。それを見ながら目が点になったヘイロンは、


「なんじゃと、これはどういったことじゃの? なんでホワイトドラゴンの幼生まで居るんじゃの? 親に大事に保護されて居ろうの、お主ら親を切ったのかの?」


「知らないわよ、確か卵をプリムラ様の仲間のサキュバス、この子達の親が持ってきたのよ、卵を産んだ親がどうなってるかは知らないわね」


「プリムラの手の者がの? ならば無茶はしとらんだろうし、親も無事なのかもしれんがの、竜種が二体かの、しかも一体はホワイトドラゴンとはのう」


「そんなに珍しいの? 犬と大して違わないわよ?」


「見た目の話ではないのう、これは幸運そのもの、幸運に守れた種族じゃのう、これがここに居る、そのことが不思議でのう。……ここに居る以上、ここに居るのがこ奴の幸福、その筈じゃのう、お主ら幸運に恵まれて居るのかもしれんのう」


「ニードルドラゴンはどうなの? あっちは普通なの?」


「あれはのう、親の戦闘力が兇悪極まるのう、どうやって卵を手に入れたのかあっちも不思議じゃのう」


「ハリネズミの化け物でしょ? そんなに強いの?」


「あの針、あれがさらに強固に強靭になったのが親じゃの、こちらから攻撃できるかの? しかも宙を飛ぶし針も飛ばす、レーザーブレスも吐くのう、遠距離魔法は効かんぞ、魔法防御、物理防御の結界も強力なのでの」


「取り合えずあんたの角と一緒で、丸刈りにすれば良いだけじゃない?」


「……そうじゃったの、お主のならそうじゃったの……」


「まあ良いわ、私ちょっと地上の様子も見て来るわね、ソックス達もお肉食べてるはずだし、訓練生やギルドの子達の様子も気になるわ、ガンガン切り出してるから量は十分だろうけど」


「流石にラルクやソックスちゃんはここには連れてこれなかったものね、あの子達、最近大きすぎよね」


「まあ上で食べてるんだから良いでしょ、ヘルイチににも送ってるのよね? えっ? あっちからも応援が来るの? 肉をもっと寄こせって? 少しは保存とか加工したりしないの? 干し肉にしても美味しそうなのに、このままだと一日で食べ尽くす勢いね」


「アイ様やヤヨイ様からお礼のメールが届いてますよ、孤児院でも大好評みたいですわ」


「……ちょっと疑問なんだけど、この地域の孤児院って豪華すぎない? 結構色んな冒険者が一杯寄付してるせいか、衣食住がすっごく充実してるわよね? 孤児院って名称の、侘しいイメージから程遠いんだけど、あの悪ガキどもすっごい元気だし」


「次代を担う子供ですからね、魔物によって簡単に人が死ぬ世界ですから、子供は貴重なんですよ。この地域では、本人たちの希望により、才能を目いっぱい伸ばす教育方針ですからね。冒険者希望の子達も多いし、出身のOB、OGも多いので、あんなに豪華に成っていったようですわね」


「日本の感覚で孤児院があるなら協力しようって思ってたけど、エリートお金持ち学校の様な施設だとはね……アイ様やヤヨイ様も甘いから、益々ああなるんでしょうけど、一般家庭の子供たちより贅沢してるわよあの子達」


「メグミちゃん、親が居ないんですから、その位は良いと思うわ、あの子達もその心の傷や寂しさを抱えているのよ、でも元気に笑ってる、あの環境を作り上げたアイ様やヤヨイ様を私は尊敬します」


「まあ良いけどね、けど人の胸を思いっきり揉んだあのガキ共は許さないわ! ズボンをひん剥いた位じゃ怒りが収まらない!」


「あれはダメよメグミちゃん、あの子達泣いてたわよ? 子供の悪戯よ? 大目に見てあげて」


「只のエロガキよ、今度やったら電気アンマね、同じ痛みを味わうが良いわ」


「女の子には優しいのに、子供でも男の子には厳しいのねメグミちゃん」


「そうよ、それにしても女の子よ、なんでタツオは小さい女の子に人気なの? あんなにヤンキーみたいな外見で眼つきが悪いのに! 納得いかないわ!」


「メグミちゃんが避けられてるのは矢鱈と頬ずりしたり、スキンシップが激しすぎるからだと思いますわ、最初はメグミちゃんも人気でしたよ? 本性がバレてからは男子の方に人気でしたけど」


「男なんざ好かれても嬉しくないのよ!」


「けど楽しそうに遊んでたじゃない?」


「遊び相手には良いわね、女の子じゃ直ぐに疲れて追いてこれないから」


「初等部じゃなくて今度は幼稚部に行きましょうね、中等部以上はアイ様やヤヨイ様の許可が下りないわメグミちゃんと一緒だと……」


「男の子でも最後はグロッキーでしたものね、メグミちゃんでも流石に幼稚部の子には無茶しないわですわよね」


「けどよ高等部から訓練の教官に来ないかって要請来てたぜ?」


「羊の群れに狼を放つつもりでしょうか? アイ様やヤヨイ様もチャレンジャーですわね」


「ねえ、私の評価低すぎない? 結構良いお姉ちゃんしてたわよ?」


「……早く地上の様子を見に行きましょうか」


「……そうですわねお姉さま」


「……ノーコメントだ」


「ねえなんで? え? 良いお姉ちゃんだったわよ? 今でもメールくるのよ? また来てねって」


「まあ、アレだ一部にすっげー受けてたのは認めてやる、無茶苦茶に切り掛かってくるガキ共の剣を避けまくって転がしまくってたからな」


「一発たりとも当たりませんでしたね、大人げ無いとも言いますけど……」


「土汚れまみれでしたね、汗と混じって泥だらけで、お世話してるシスターに怒られましたわ」


「次はアレだせめて体操服に着替えさせような?」


「あれ? あれーー? おかしいな? ねえ? おかしいよね、『お姉ちゃんスゲーー』って誉めてくれたのよ?」


「メグミちゃんは少し配慮が足らないのよ、今度は気を付けましょうね」


「何よそれ! 配慮? 知らない言葉ね!」


ワイワイと騒ぎながらメグミ達は転移魔方陣に乗り地上に転移していく。

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