源三郎江戸日記13 一人の侍が馬上から切下げると刀を跳ね上げて切りかかると、その藩士は馬から落ちたのです、3人が馬から落ちて傷を負わされたので、騎馬隊が躊躇するとすばやく馬を奪い飛び乗っ、


源三郎江戸日記13


一人の侍が馬上から切下げると刀を跳ね上げて切りかかると、その藩士は馬から落ちたのです、3人が馬から落ちて傷を負わされたので、騎馬隊が躊躇するとすばやく馬を奪い飛び乗っ、

て逃走しょうとしたので、源三郎が振り落とされた侍の馬に乗り追いかけて、横から切り込むと刀でカキンと受けたので近づき左足で腹を蹴飛ばすと時田はもんどり打って馬から落ち、

て砂浜に転がったのです、


源三郎も馬から下りてもう逃げ道はないぞと言うと、立ち上がり上段に構えたのです、騎馬隊が追いついたので殿、源三郎にお任せをと言うと、おう、討ち取れというのでじりじり、

と間合いをつめると時田が上段から刀を振り下ろしカギンと音がして源三郎が受け止め、懐に入り左手で脇差を抜いて腹に突き立てるとぐわ~と言って刀を落としたので足で蹴飛、

ばすと、


脇差が抜けて血が噴出し後ろに倒れたのです、刀を鞘に納めて座ると、見事な腕だなと殿が言うので、急所ははずしてありますというと、宿場役人に引き渡せと殿が命令すると藩士が、

抱えて連れて行ったのです、殿がこれでネズミはいなくなったな、後はゆるりとついてまいれとたずなをかえして茶屋に行ったのです、源三郎が小船に戻ると、お峰が息絶えており、

ますと言うので、


懐を探ると財布のみです、傍にあった道中籠をあけると書付が二通あり、一通は大石一派とかわした約定書の控えで、もう一通は柳沢から道中の藩主に宛てた依頼状、この者にいか、

ような便宜もはかるようにと書いてあります、大石一派の相手先は秋月藩次席家老柴田右近と書いてあります、書状を抜き取り、こぎ手の者に金寸で頼まれたのであろう、咎めなし、

とするので、


家業に精を出すのだと言うと、平伏してもらった金でございますと差し出すので、それは貰っておけ、立って家にかえるが良いというと、ありがとうごぜえやすとその場を立ち去った、

のです、茶屋に行き源一郎に書状を渡すと受け取ったので、そはれでは私めはと言って山崎馬之助の傍に行き、小声でおぬしがあの者との繋ぎをやっていたのは誰にも言っておらん、

がすぐに気づかれる事だろう、


ばかな連中とは手を切ることだ、柳沢様が約束などまもるはずはない、内紛を起こさせ改易するさもりなのだよと肩を叩いてそばを離れたのです、馬に乗り東海道を次の宿場へ向った、

のです、源一郎が殿総ては終りました、お籠の方へと言うと、騎馬の方が楽しいぞ、次の宿場まではそなたが乗るのだと言うので、尻がいとうございますと言うと、どうだ藩主の苦労、

がわかるだろうと笑い、


それでは昼餉をとるぞ、めいめい休息せよ、亭主もう一度茶を入れてくれと言うと、ヘイへ返事して茶を運んできたのです、源一郎が自分の服に着替えて傍に控えると、なんだ着替え、

たのかと言うので、殿のなりをして傍に控えるのは恐れ多い事ですというと、尻が痛いのであろう、籠は空にしてそちも騎馬に乗れというので、ハハ~と頭を下げると、そちも昼餉、

を取るが良いというので、


ハハ~と言って同僚の傍に行き昼餉を食べると、近習頭の山本助衛門が良い弟をもったなと言うので、点心爛漫な奴でしてと苦笑いすると、そなた達みたいに若殿兄弟も仲良くならん、

もんかなと言うので、恐れ多い事ですが国家老と江戸家老に隠居願わなければいつまでも内紛は収まりませんよと言うと、そうだな、今回は殿に英断をしていただこうと山本が言った、

のです、


昼餉をすませると代官が顔を見せて、大名行列を襲うとはいずこの者達ですかと聞くので、良くはわからんが、二人は江戸の千葉道場の門弟らしい、死んだ侍はどこかの家中であろう、

が分かりももうさん、二人のキズが回復したら吟味すればわかるでありましょう、処置は代官殿にお任せしますと源一郎が言うと、あいわかりました、厳しい吟味をして厳罰にしまし、

ようと言ったのです、


行列は次の宿場に向って旅だったのです、柳沢の草の者がこれを見て急ぎ江戸へ出立して事のあらましを柳沢出羽の守に報告すると、そうか黒田は死んだか、後のものは深手で生きて、

いるのか、書付は奪われたであろう、あれに押してあった花押は偽者じあ、代官から問い合わせがあったら、当方は一向に覚えはないと突っ張るのだ、そちらでいかようにも処置をす、

るようにと言うのだ、


黒田は病死とせよ、それで秋月藩はどうしますかと家老が聞くと、ほうっておけ、たかが3万石の大名だ幕府へ訴えたりなどするものかと言ったのです、家老が承知しました二人が騒ぐ、

ようなら草の者にいいつけて密かに抹殺しますと言うと、くれぐれも慎重になと言うと部屋を出て行ったのですその頃源三郎達は草津宿に逗留していたのです、待望の温泉に入りお峰、

も喜んでいたのです、


美保の松原以降柳沢の影は消えて、平穏な旅にて草津に到着したのです、後は京都、大阪だなと源三郎が言うと、あとどのくらいで高鍋に着くのですかと聞くので、15日以上はかかる、

だろうが、大阪から豊後までは船旅だ、豊後につけば高鍋はすぐだよと言うと、やはり西国は遠いですねと言うので、参勤交代も金がかかると言うわけだよと言うと、大名のたくわえ、

を減らすいい方法と言う訳ですねとお峰が言ったのです、


ここは山の中だから魚介類の料理はないが、イノシシなべはあるそうだというと、四足は食べてはいけないのではとお峰が言うので、ウサギは一匹二匹と数えるので動物ではなく、猪、

は山くじらと言う事で食べても良い事になっているんだよ、もつとも将軍家のお膝元では出回らないがと言うと、お面白いですねと笑ったのです、夕餉が運ばれて来たので見ると山菜、

のてんぷら、


岩魚の塩焼き、猪のなべ、香の物です、なべの蓋を取るといい匂いがしたのです、酒で杯を重ね飲み干して、猪なべをつつくとコリコリしていてとても美味しいのです、田舎しか食べら、

れないよ、高鍋でも食べられるよと言うと、お峰も美味しい、美味しいと食べたのです、夕餉が終わり町に出てみる事にしてお峰を連れて宿場をあるいていると、前から歩いてきた男、

がすれ違った時殺気を感じたので刀に手をやると、


その男は知らん顔して通りすぎたのです、お峰が目つきの鋭い者でしたねと言うので、どこかで見たような顔だ、町人の風体だがあれは武士だな、ひょっとすると隠密か盗人かもしれ、

ないと言って、源信と言うす~と傍に来て、後をつけるのですねと、その男を源信がつけたのです、傍の居酒屋に入り酒と肴を頼み杯を重ねて、ここは天領のはずだが、隠密とすれば、

こんなところで何をしているのだ、


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