それはわたしが幸せになるための
あき @COS部/カレー☆らぼらとり
第1話 空を見る
毎日、私は空を見上げている。決まってそれは、職場の最寄り駅の、歩道橋の上である。
実は、家と職場は県を跨いでいる。なんなら、地方も異なっている。毎日、朝8時にうちを出て10時出勤、20時過ぎに出社22時半帰宅、それからご飯を作ってなんだかんだ24時。あとは寝るだけです。そう、わたしは電車にトコトコ揺らされながら片道1時間以上、往復4時間かけて通勤しているのです。
そんな生活をここ4年間ずっとおくってきたのですが、先日後輩の中国人に言われました。
「1週間で24時間だぞ。つまり、お前は1週間で丸一日無駄にしているのだ。」
と。確かにそうだ。
昨年、お仕事でフランスに1ヶ月滞在していたのですが、その時にも体感しました。フランスでは朝7時上司が迎えに来て7時半に出社、17時に終業バスに乗り込んで17時半には滞在しているホテルへ。実質、同じくらいの就業時間だったのですが、18時から24時までフリーに過ごせて、日本にいる時よりもプライベートが充実していました。テレビをみたり、ニコニコ動画見たり、なんなら歌録りもしてました。
わたしってば、移動によって人生の時間を無駄にしているのかも。でも、田舎の電車通勤なんで、大抵はちゃんと座れるんです。それから1時間がわたしのプライベート。仕事の資料読んだり、読書したり、動画みたり、GarageBandでポチポチ作曲したり、黙ってさえいれば、いろんなことができます。わたしの生きがいは電車の中に詰まっています。
いまこの文章も、電車の中で書いてます。
さて、なんの話でしたでしょうか。
そうそう、空のお話です。
職場の最寄り駅に着くのは、9時半すぎ。ローカル電車を降りて、一目散に歩道橋を駆け上がる。そんなとき、空を見るのです。日が昇ってちょうどいいころです。岡山は晴れの国と呼ばれているほどで、大抵晴れています。歩道橋を上がりきったとき、改めて空を見上げます。たぶん、わたしが普段生きている中で、いちばんたかいところ。
今日は雲ひとつない、快晴。
さらに左右を見渡して、この青色を味わう。
これはわたしにとって普通のことだったのですが、ふと周りの人達を見てみると、みんな足元か前しか見ていませんでした。
ここに、ステキなものがあるのに。毎日、変化しながらも普遍的なものがあるのに。
みんな勿体無いな、とおもい、毎回口にしてしまおうかとも思うのですが、わたしはわたしの価値観を押し付けるのをやめた。
これは気づいた人だけの、密かなたのしみだから。
時代遅れかもしれないけれど、わたしはいまだに音楽が好きで、ウォークマンを手放せないである。お気に入りは坂本真綾さん。坂本さんはわたしの命の恩人なのですが、それはまたいつかのときに。
坂本さんの曲で、空といえば、ソラヲミロ(少年アリス 2003年)が一番におもいつくのですが、実はあんまり好きじゃなかったりします。むしろ、わたし的にはユッカ(DIVE 1998年)やストロボの空(Lucy 2001年)の歌詞の方が視覚的にグッときます。
いつかわたしも視覚的に空を表現するような音楽をつくりたいなとおもっていたのですが、実は既につくっていました。
ぼくはまだなにも知らない(2015年)です。
どこまで行こうと決めたんだろう
果てしない青空に
どこまで行こうと決めたんだろう
ぼくはなにが知りたいんだろう
https://creofuga.net/audios/72273
孤独な旅人が、現実の砂漠と精神世界を行ったり来たりしながら、まだ見えない目的地を行く感じを表現しました。しました、と言いながら、みなさんまでそのクオリアが届くかどうかはわかりませんが、感じていただけると幸いです。
と、宣伝になってしまいましたね。すみません。
みなさんは、空を見ていますか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます