病室にて

満足に口から食べられず

骨と皮になった体で

「帰りたい」とあなたは言う

帰られないと知りながら


私の顔を見ればあなたは

「いつ、帰れるの」と尋ねる

まるでそれしか言葉を持たないように

繰り返し繰り返し飽くことなく


ご飯が食べられるようになったら

もっと体がしっかりしたら

春になって暖かくなったら

帰られるかもしれないね


答える私の横顔を

力のない目で見つめながら

あなたは何を思っただろう

静かな病室のベッドの上で


窓の外は冬の嵐

冷たい風雪が景色を凍らす

「帰りたい…」

春は、まだ遠い

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