子守唄

風が渡る

木々の梢をざわめかせ

私の心をざわつかせ

はるか遠い海原に響く

怒涛のような風の音

それを私は耳にする

躰の奥底まで響く

まるで胎動のような

柔らかな衝撃と共に

伝わってくる

荒くれた心音を

祈りのように

受けとめながら


微笑んで

泣かないで

怒らずに

嘆かずに

ただ、安らかに

そして密やかに

秘め事を交わす

囁きながら


さわさわと

ざわざわと

彼方の夜の

更に遥かを

越えていく

越えていく


しらじらと

明ける狭間へ

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