納棺

安らいだ、そのかんばせ

花で飾ろう

とりどりの花で


誰も邪魔は出来ない

もう、誰にも邪魔をされない

その安らかな眠りに

寄り添って

寄り添って

色とりどりに

咲き乱れていく


花の匂いは

標となろうか

道行きの供となろうか…


語らぬ唇は

柔らかな微笑みを浮かべ

開かぬ瞼は

長い睫毛の影に縁取られている

ああ、美しい

その死に顔を


花で飾ろう

とりどりの花で

共には逝けぬ

私の代わりに



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