散る薔薇の如く

花にたとえるのなら

君は止めどなく血を流す傷口をひけらかす

薔薇の花

綺麗でしょと押しつけてくる美意識が

鼻持ちならないくらいに匂う


薔薇は好きじゃないんだ

赤薔薇はね


飾るなら白くて可憐な

ミニバラがいい

君を思い出さなくて済む

誇らしげに血を流して見せる

鬱陶しい君を


君を愛してた

君を限り無く憎んでた


蕀の女王であり続ける君を

抱き締める僕は君以上に血塗れだったと

気づきもしない

気づこうともしない

君を僕が捨ててあげる


花びらを散らし

踏みにじられていく

道に棄てられた

あの薔薇みたいに


美しく艶やかに散ればいい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る