第20話 除夜の鐘
一年の災厄をはらう祭事でさえ邪神に侵略されているのだ!
クトゥルーは、寺に除夜の鐘をつきに来ています。
「神社は破魔矢で撃たれるので危ないのです」
「お寺で鐘をつくのです」
「108回もつくのです」
「どうして、108回なのです?」
「煩悩の数なのです」
「眼、耳、鼻、舌、身、意の六根に、それぞれ、ロウ、カオス、ニュートラルの三種類がいるのです」
「その18種類に、ダークとライト属性があるのです」
「36種類になってから、アンデット系、実体系、霊体系に分類されるので108種類なのです」
両手の指で数えきれない数字をどうやって数えたのか?
そう、邪神には108本触手がある!
触手で数えたのだ!
この世の煩悩さえ邪神の手によるもの、邪神に知らない事は無いのだ!
「鐘はおっきいのです」
「クトゥルーが108回鐘をつくのです」
「鐘をつく人は並んでね」
――ペタペタ……。
係りの人間の制止も聞かずに、除夜の鐘を邪神が触手でつき始めた。
それは、獲物を飲み込もうとするイソギンチャクのような!
もがけばもがくほど深淵に引きずり込まれる恐怖に目を見開いた獲物を無慈悲に締め上げる触手!
「鐘の近くに居ると危ないよ」
――ゴーン。
「クピャー!」
クトゥルーは、除夜の鐘で払われた。
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