ぶふううううー
ロングブレスダイエット
「『わたしは、食欲の秋ですのよ、おーほっほっほほ。』 と笑いながら、朝散歩してるおばさんいますよね。」
「いますよね?」
「いーまーすーよね!」
「あ、ああ、はい。います。」
てっちゃんは、ふうたんに、寝言で、笑っていいとものタモさんみたいな振られ方をされてるとは、気付かず、
『ふうたんの寝言は面白いねぇ。』
と、いつもの様に、放置していた。
「おかあさんも言うた方がええか?」
昨日からお義母さんが泊りにきている。
「しーっ、おかん、ふうたん寝ぼけてるだけやで起こさんように小さい声でしゃべって。」
てっちゃんが、お義母さんに言う。
「そんなんでも、おかあさんも『います』言うた方がええんちゃうか?」
お義母さんは、ふうたんの寝言や寝ぼけが物珍しくて、一緒に相手をしてあげたいという気持ちでいた。
ふうたんとてっちゃんの家に、てっちゃんのお母さんが2泊3日で遊びに来ている。
「ん?」
ふうたんが、起きそうだ。
「ん?ってどしたん?」
「だから、おかん小さい声で話してってば。」
てっちゃん親子のヒソヒソ話が目覚ましアラームの様にふうたんの耳に刺さる。覚醒だ。
「はっ!今何時?お義母さん駅まで迎えに行かなきゃいけない。」
ふうたんが、むくッと起き上がって言った。でも、まだ寝ぼけている。
「おかあさん、もうおるで。昨日ふうたんに迎えに来てもろたで、忘れたんか?」
「だから、おかん、ふうたん寝ぼけとるだけやで起こさんように小さい声でしゃべって。」
お義母さんの声は大きい。家がお店だったから、お客さんと喋る時は、大きな声で話さないと聞こえないから、大きい声が身についているのだ。
ふうたんが、寝ぼけから抜け出した。
「あ、お義母さんもういらしてたんですか、おはようございます。」
お義母さんがいるのに、また寝ぼけちゃった。とふうたんは恥ずかしくなっていた。
「あんた、起きてんのか?ちょっとてっちゃん、このふうたんは寝ぼけとるんか起きとるんかどっちや?寝言か?何や?てっちゃん。おかあさん返事してええのんか?」
そんなこんなで、お義母さんが来てても、韓国旅行中でも、激しい寝言を言い、激しく寝ぼけるふうたんであった。
ふうたんが、起きて、トイレに行って戻って来ると、キッチンに行き、麦茶をタンブラーに酌んで、飲み、その後突然てっちゃん親子の前に立って、
「ふぅうううーーー。」
と、ロングブレスダイエットを始めた。
てっちゃんも立ち上がり、ロングブレスダイエットをしはじめた。
そうしたら、お義母さんが、
「7やで」
と、2人に向かって言い、
ぶふーーーーっ
と、
お手本をして見せた。
その姿は、まるでブリキのおもちゃの人形みたいで おもしろくて、
ふうたんは麦茶のんでたときだったから、笑ってしまって、
鼻から麦茶でた。
「どないしたん?」
とお義母さんが言って、ふうたんもっと笑えてきて、むせた。
なのに、てっちゃんは、ロングブレスダイエットを続けていて、
ふうたんの笑いがおさまらないのを、
「おかんが しゃべると、ふうたん笑いがとまらんでやめたげて、ぶふーーーっ」
と墓穴をほる一言を言いながら、まだマイペースにロング巣レスダイエットを続けていた。
あーおもしろかった。あのお義母さんの『ぶふううーー』がふうたんには、とっても面白かった。
でも、「7やで」の「7」って一体なんだったんだ?
ふうたん、急にロングブレスダイエットトリオの事を思い出して、疑問を1つ作ってしまった。
これは、何年前の記憶だろうか?今更お義母さんに電話して、
「ロングブレスダイエットの『7』って、何ですか?」
って聞いていいのかどうか…。
ふむ、
気になるけど、もう何年も前の話だからお義母さん覚えてないと思うな。聞くのは止めておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます