エロマンガと俺の日々
一時のトキ
2017年 年末黎明篇
12月20日 キミセン
おれは扉を閉め鍵をかけ時刻を見る。明日まで5時間、やることは色々とある。メシ、フロ、明日の準備、必要なことばかりだが最初におれがやるべきことは仕事ですり減った心を癒すことだ。おれはパソコンを立ち上げDMMを開き、安売りされているエロマンガに目を通す。いくつかアタリをつけサンプルを読み一冊の本をバスケットにいれた。
橘由宇「キミセン」
表紙の女性はおれ好みの黒髪長髪、胸のサイズもベストだ。パラパラ読んだサンプルはカラー部分しか拝めなかった。カラーではいい感じでも、白黒となるとダメな作品は多い。それゆえ白黒部分まで見たかったのだが仕方ないと購入した。
最初にカラーページをあらためてじっくり見る。1ページ目で半脱ぎ胸だしパンスト破りとクライマックス!エロマンガはスピードが命だ、カラーページとなればなおさらだ。エッチなことは卒業してからという先輩を後輩が童貞パワーで押し倒す!おれの活力がよみがえる!
「自分勝手ですけど僕…いや俺は先輩を独り占めしたいんです!!」
「私も君を独占したい…(中略)そして君の虜に…いや君専用にすればいい♡」
タイトル回収!カーニバルがはじまる!おれの活力が限界を超えようとする!そしてフィニッシュ!おれもフィニッシュ!
こうして第一話「キミセン」が終わった。本のタイトルと同じ話だけあってたいへんみなぎった。
おれは一度心を落ち着け次の話へ向かう。次の話もカラーだった。そして最初の話の続き「キミセン♡」。第一話と同じく一度吐き出された活力が再びよみがえる。だがここではすべてを出すわけにはいかない。なぜなら白黒ページでもいけるのか確かめる必要があるからだ。
おれは活力をみなぎらせながら白黒の「キミセン♡♡」に挑む。ヒロインは先輩に代わりに先輩のライバルちゃん。先輩がにくいライバルちゃんが後輩くんを催眠掛け、自分に媚薬を使っちゃう。エロマンガ特有の万能催眠と媚薬の合わせ技、当然熱い試合がはじまる!はじめてなのになんどもイっちゃう!かんじちゃう!とライバルちゃんの困惑を尻目に先輩だと思い込んだ後輩くんは何度も中だし!物語は盛り上がる!おれも盛り上がる!さんざんやられてヘナヘナになるライバルちゃん。力を使い果たしてヘナヘナになるおれの活力。
「キミセン」の話はここで終わり。白黒でも十分イケた。後輩くんを先輩とライバルで取り合う展開が見たいとちょっと思った。しかしこのあともワクワクな単発の話が待っているようだ。
おれの心から陰鬱な気持ちが吹き飛び、活気が舞い戻った。今日やることは色々ある。再びに時刻に目をやる。明日まで4時間。おれはパソコンの前から立ち上がり、次にやることに取り掛かった。
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