第11話

ざまーみろっと言わぬばかりに幾度となく 指を指して笑う早苗。

「キャーァァァー」

前屈みに成って驚愕するばかりのゆり。


「貴方は、邪魔なのよ・・・・・・!?」

行き成りドアが開き六階の二人の部屋に人が入って来た。 ゆり( 早苗 )が、「キャー、化け物が〜助けて〜」

指は、ゆりに向かって指していた。

四人のSWATは、続けざまに部屋に入って来て怪物を見た。


腐った肉片に姿を変える。  そして、何かつかもうとしている赤や緑の腐った手と、紫色の唇に尖った歯が、異空間から多く出て来て五人に襲い掛かろうとしていた。


ゆり自身は、全身血管や内臓が、まる見えの姿のバケモノだった。

「撃てぇ〜っ」

反射的に声を出した。

( 違うよ!? わたしよっ、ゆりよっ、助けてぇ〜 )

しかし、実際は、みんなには、こう聞こえていた。

「ガゥゥゥ、ウガガガァ〜」

( えっ!? )


ダダダダッ・・・・・・至近距離で何百ともいえる弾がゆりを襲った。

前進姿勢ながらも、確実に当てられて後退していた。

窓を突き破り、ガラスの全面が粉々に成って、飛散され、外に押し飛ばされて行った。 手や足を中空でバタつかせる。


限られた寿命のゆりは、化け物のまま、夢を見ていた。 ジュエリーの光の中に居て下に落ちて行く。

体の痛さなど全く感じて無かった。

しかし、急に記憶が蘇る。


「ガゥゥゥ〜、ウガガガガ〜、キャァァァー、た・す・け・て〜!?・・・・・・」

また二階の透明なポテトマッシャーに落ちた。

バンッ・・・バッシャ・シャ・シ・ャシャ・シャシゃ・・・・・・ン・・・・・・。

たった三秒間の中だった。


フロントガラスが割れたような!?天井の紅いステンドグラスがそこにあった。

SWAT隊長 千堂 武史等 周りの人達は、二回目の音で上を見て止まった。


超超スローモーションで赤い血の雫が落ちる。

超スローモーションで二滴目が落ちる、次第に怪物の体が分散されていくのが目に映っていた。

スローモーションで三滴目が落ちた。


その間 みんな死神に首を絞められたり、瞬時に切断されたり、心臓を刺されたりしていた。

バ・ッ・シ・ャ・ー・ン、ザッ・ー・・・ザー~・・・・・・。


紅い天井のステンドグラスが再びみんなを襲い、降り掛かる。

上から見るとビルの周りの少し離れた場所だけ、輪の波紋が広がるようにして悪魔や死神がランダムに住み着き始めた。

獲物を捕獲してゆく・・・・・・そして個体だけを残して消えてゆく。


大勢の人々が六階付近で銃の閃光を確認していた。 しかし、実は、腐死人が花火をしていた。

導火線に火をつける。

シュー、シュポン。

「ウッホォー、ホホホッ。 火遊びは、程々に、エーヘヘッホ〜ホーッ」

喜んでいた。


動転し、頭が完全に整理されていない時に電話が成った。

「もしもし、SWAT隊長の千堂だが。 ナニー、#$%&・・・・・・良く聞こえない、判らない。 もしも〜し、大勢生存者がいるっ!?・・・・・・、中は、危険なウィルスでいっぱいだとメールが来たぞ!?本当なのか!?・・・・・・ナニッ、多くのゾンビで中でいっぱいだっ!?・・・・・・建物は、駄目だ!?・・・・・・壊せ!?街も奪われる!?・・・・・・」


ドッカーン、ドカーン、ドカカ〜ン。

ニースリーの渡り廊下が、突然六階から三つ共 続けて下に落ちて来たのだった。

震度七、八位の地震が来たみたいに地面が大きく揺れた。

「うわーっ、危ない!!全員退避、退避だー。 ビルから離れろーっ!!」

ビルを中心に砂鉄状の波紋ができ、放散して行く。


SWAT隊の報告により国は、動いた。

緊急会議の末、国の出した結論は、そして戦略は、小型ミサイル型のナパーム弾をビルに

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