酒を呑むならこんな風に

にわけん

第1話その0 【通常メニューとおすすめメニュー】

 僕が居酒屋(もしくは類する酒場)を新規開拓する際に、一つの目安としている事がある。それは「通常メニュー」と「おすすめメニュー」が分かれているかどうかである。

 ここで通常メニューと言っているのは、分かりやすく言えば印刷された状態で置いてあって、いつ行っても(ほぼ)内容が変わらないメニュー。おすすめメニューと言っているのは、ホワイトボードなんかに書いてあって数日(店によっては毎日)内容が変わっていくメニューの事である。なにより食材には「旬」という物がある。


 何故これを重視するかというと「きっちり食材の仕入れをしている」のが分かるのが一つ。もう一つは「その日の仕入れ(もしくは前に仕入れたものの仕込み)で、お客さんを楽しませよう」という意図が見受けられる所だ。特に個人店かつこぢんまりしたお店でこういったメニューの出し方をしているお店に当たると期待が高まる。こういった気配りをしているお店なら概ね美味い事が多いし、店も居心地が良い事が多いからだ。


 新規開拓のお店であれば、そのメニューに載っているモノがお店の実力を測る指標になるし、良く行く店であれば、それらは行く都度の楽しみとなる。これは呑兵衛冥利に尽きるというものだ。


 もちろんこれにも例外はあって「自信のある食材」で「自身のあるメニュー」しか置いていない希有なお店もある。この努力はいかばかりであろうと思うが、いかんせん毎日同じ物で呑むのは辛いところがあるし、そういったお店は(勘定が)高いことが多いので、サラリーマン呑兵衛にはおいそれと行けるものではない。もちろん定番メニューのみで良い店はあるのだが、ごく少数だし飽きる事に変わりは無い。もっとも「飽きさせない」レベルの美味い品がある店もあるのだが、それを言い始めると切りが無いのでここでは割愛させてもらおう。


 まぁそんな感じで「程良い勘定」で「週に1,2日行っても」そこそこの勘定、かつ楽しめるお店を探してサラリーマン呑兵衛は彷徨うのである。その成果(?)をここに記していこうと思う。



 

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