小惑星探査機の危機

2017-05-17 南日本新聞 夢ごと切り裂いた凶刃


 南種子島を走る国道58号線上で、女性が倒れているという通報が種子島警察署に入ったのは、15日の午後8時だった。駆けつけた署員は被害者を見て驚きの声を上げたという。

 それは、ISS(国際宇宙ステーション)の第61次長期滞在クルーとして、日本では3人目の女性宇宙飛行士となる予定だった吉野さくらさんだったからだ。

 上半身は無傷だが、腰から下が血まみれとなっていたその姿から、発見した署員はただの傷害事件ではないと確信したという。

 種子島警察署はすぐに港を封鎖し目撃証言を元に捜査したところ、海を泳いで渡ろうとしていた広川容疑者を発見し逮捕した。

 取り調べに対して広川容疑者は、「JAXAのウェブサイトに掲載された顔が、ニートの自分をあざ笑っていたから殺そうと思った」などと供述し、容疑を認めている。

 島内で高校卒業までを過ごし、いくつものロケット打ち上げをその目で見てきた吉野さくらさんは、自然と宇宙飛行士を目指していたという。航空自衛官になり、テストパイロットを勤めながらJAXAの宇宙飛行士に応募し、過酷な訓練を終えて実家に一時帰宅していた矢先の出来事だった。

 傷の状況では復帰も可能としていたJAXAだったが、切断されてしまった両足の神経の修復が行えず、また、骨も一部かけてしまうほどの大怪我であると判明したため、吉野さんの搭乗予定を取り消したと発表している。

 犯行後に広川容疑者が友人へ送ったメールによると、吉野さんの下半身を執拗なまでに傷つけたのは、「宇宙飛行士としての道を断たせて夢の人生ごと半殺しにする」目的だったことも判明した。




2017-09-02 読売新聞 ニュー・ホライズンズが制御不能に


 昨年に冥王星への接近に成功した宇宙探査機のニュー・ホライズンズが制御不能に陥ったと、NASAの広報担当は今月1日に発表した。

 ニュー・ホライズンズは冥王星を探査しその姿を明らかにしながら、衛星カロンの映像も撮影し、次はカイパーベルト天体の2014MU69に向かう予定だった。

 原因は宇宙塵の衝突による破損と推測され、機体の向きを調節する機能が失われ、現在はその復旧に務めているという。

 なお、映像の送信機能には問題がなく、NASAではカロンを離れた後の映像も受信し、順次公開するとしている。




2017-09-12 千葉日報 「がんばれ! ニュー・ホライズンズ!」届け、子供たちの声


 今月1日に、宇宙塵(宇宙を漂う微小な物体)との衝突で機体の制御機能が失われたニュー・ホライズンズ。

 NASAは推進機能の切り替えや調整などを試しながら復旧に務めているが、そんな彼らに思いがけない応援が届き、アメリカで話題となっている。

 それは県内の小学校に通う子供たちからの絵と折り紙だった。発起人は、同校に通う二年生の洞井澄太くん(8)。

 名前の響きが似ていることからニュー・ホライズンズのファンになり、冥王星到達のさいにはクラスメイトとお祝いをしたという澄太くん。今回の事故を受け、何とかニュー・ホライズンズには頑張ってもらいたいと、教師の協力を得て、二年生全員で探査機の絵を描き、折り紙を作った。

 自らの手で届けたいと祖父とともにアメリカへ渡り、直接NASAへ手渡したところ、その模様がTwitterの公式アカウントで紹介され、現在までに30,000回以上もリツイートされている。

 「(2006年に生まれた)ニュー・ホライズンズより若い友達が、はるばるアメリカまで訪ねてきてくれた。洞井くんに勇気をもらったニュー・ホライズンズもきっとたどり着くだろう」と、NASAの報道官は洞井くんの応援に感謝を述べた。




2017-09-13 2ch 名無しSUN


 こういうぶっ飛んだアホの子が、将来でっけえ仕事したりするんだよなあ。でも、ホライズンタとかバカみてぇw




2017-09-13 Twitter studying-everyday


 仕事でワシントンに来てて、洞井澄太くんの取材に遭遇。思わず挨拶しちゃった。おじいちゃんがめっちゃ英語堪能でびびったw




2017-11-13 カラパイア こんな出会い方したら結婚するわ。運命に導かれた5組のカップルたち。


(中略)

 さて、4組目もこれまた裏でシナリオライターがいそうな出会い方をした2人だ。登場人物もこれまたすごい。

 まず男性は、JPL(NASA、ジェット推進研究所)に勤める佐山和博さんだ。NASAで働く日本人としては2人目となるエリート中のエリートで、人工衛星の打ち上げに関しては世界でもトップクラスの知識と技術力を持っている。

 そんな佐山氏と出会った女性は、同じくJPLで管制官を勤めるキャサリン・ルイスさん。同じJPL勤務だったら社内恋愛じゃないかと思うだろう。しかし2人が出会ったのは、日本の婚活サイトだって言うんだから驚きだ。

 しかも、お互いに宇宙に興味があったり、宇宙関連の仕事をしている人を募集していたわけでもない。佐山さんは「和食、特に魚料理が好きな方で、アメリカでの生活に抵抗のない方」、キャサリンさんは「神社などのパワースポット巡りが好きで、英語なまりの日本語でも問題ない方」という募集だったのに出会ってしまったのだ。

 しかも、佐山さんがキャサリンさんにコンタクトを取ったのは、クリックのし間違いだったという神懸かりっぷり。

 そうして連絡を取り合い、職業を聞いて驚き、職場を聞いてまた驚き、昨日は食堂で挨拶を交わした相手が今日には恋人となった事実に運命を感じ、翌日に結婚を約束したという。

 今では「ミラクルカップル」として話題の夫婦だが、まだ結婚式は挙げていないという。万物に神が宿るというアミニズムに傾倒し、神道を信じているキャサリンさんは、「今年の神迎祭に出雲大社で結婚式を挙げる」と計画しているからだ。

 「私と彼は一つになって溶け合い、最後はこの宇宙の中の元素に還っていくの。神様として」というキャサリンさんは、死ぬときは宇宙葬を望んでいる。佐山さんも同意していると言い、まさに運命に導かれた2人といって過言ではないだろう。

(後略)




2017-12-25 Twitter takamagahara-1221


 NASAの友人から朗報が。生きてる角度センサーのノイズを最小限にする補正プログラムが功を奏して、ニュー・ホライズンズが元の軌道に戻ったと。




2018-01-31 千葉日報 「ホライズン音頭」で、72歳のユーチューバーが誕生


 深宇宙探査機ニュー・ホライズンズの危機を受け、昨年9月にアメリカへと渡ってNASAを激励した洞井澄太くん(8)。

 その祈りの声が届いたのか、推進装置の修復が完了し元の軌道に戻ることができたことを祝い、祖父の洞井澄太郎さん(72)と一緒に踊った、「ホライズン音頭」が動画共有サイトYoutubeにアップロードされたところ、一週間で100万回も再生されるという異例の事態が発生した。

 振り付け、歌ともに澄太郎さんのオリジナルで、「二週間は一緒に練習をした」という。孫の澄太くんとの息の合った、味わいのある動きが受けた模様だ。

 動画には既に広告がついており、「ここで得たお金は全てNASAとJAXAに寄付し、子供たちに希望を与えてくれる宇宙開発に役立ててもらいたい」という澄太郎さん。

 次は「はやぶさ2音頭」を作ると意気込んでおり、72歳のユーチューバーからは当分目が離せないようだ。




2018-03-21 朝日新聞 地球外生命の本格探査が始まる


 中国国家航天局は20日、土星の第6衛星タイタンを探索する草鞋(わらじ)大王1号を2020年8月に打ち上げると発表した。

 表面温度はー179℃と低いタイタンだが、分厚い大気と水の代わりになる液体メタンが存在し、海中の噴出口などでは温度が高いことが想定されるため、微生物や小さな動物がいる可能性があると考えられていた。

 2024年に土星を経由し、第6衛星のタイタンへと接近する草鞋大王1号は、三体の探査機をメタンの海に射出し、生命の存在を探る予定。




2018-06-06 毎日新聞 南沙諸島沖で衝突、李外相「フィリピンの一方的な戦闘行為、謝罪なければ武力行為も辞さず」


 昨日の午前11時ごろ(日本時間、午前12時)、南沙諸島の南東で中国海軍の哨戒艇2隻とフィリピン海軍の哨戒艇3隻が銃撃戦となり、中国海軍の兵士2名が死亡した。

 フィリピン政府は、中国海軍の哨戒艇が領海に侵入し正体不明の物体を海中に設置していたとして、中止と退去命令を行ったが従わず、銃撃されたため、軍の規程に則り応戦したと発表。

 一方、中国海軍は領海侵入の事実はなく、また物体の設置も行っていないと反論。一方的に銃撃を行ったフィリピン側の国際条約に違反する行為であり、フィリピン政府からの謝罪と賠償がない場合、報復措置を取るとしている。

 5日現在、中国海軍は防衛体制を取るためとして、同海域に南海艦隊より江凱(じゃんかい)型フリゲート艦3隻を派遣した。




2018-07-15 中央日報 東京で5万人参加の反戦デモ、それでも日本は再侵略のきっかけを逃さない


 先月5日、次いで10日に発生した中国海軍とフィリピン海軍の小規模な衝突によって緊張を生んでいる南沙諸島に、アメリカが第7艦隊の原子力空母ロナルド・レーガンを中心とした第5空母打撃群の派遣を決定した。

 アメリカ・フィリピン相互防衛条約に基づく要請を受けての行動であり、ロシアのクリミア半島併合以来の危機となった当事案への対応だが、この作戦に日本の海上自衛隊も参加することが閣議決定され、大多数の日本人から批判を受けている。

 そもそもの根拠が薄い。

 日本の防衛を担っている第7艦隊が攻撃を受けると日本の防衛体制が破綻し、存亡に関わるというのが日本政府の回答だが、第7艦隊だけが日本を防衛しているわけではなく、それ以上に多くの護衛艦を持っている日本の防衛体制に綻びが生じるとは思えない。

 2016年に施行された安全保障法案に則った行動であり、また米ユーノ大統領、比グリコ大統領から直接の要請を受けたことで正当性もあるとされているが、東京でデモに参加した5万人の目には、第二次世界大戦で日本が犯した過ちが映っていた。

 「またアジアを火の海にするつもりか」「他国の緊張を橋頭堡に侵略の道を再び歩み始めた」「また核を落とされないと分からないのか」――霞が関、虎ノ門から皇居まで続くデモでは、時おり右翼との小競り合いが起き、50名が逮捕された事態を受けても、日本政府の決定は覆らない。

 また、今後の軍拡を見据えての行動であることは、就役してから間もない護衛艦のいせ、かが、もがみ、みくまの派遣を決めたことから明白である。

 中国の李外相は、「アメリカと日本の艦隊派遣は、中国が率先して保ち続けてきたアジアの平和を根底から覆す行為であり、その代償は計り知れないだろう」と強く批難した。




2018-07-16 tumblr amazing-china


 このニュース、中国でも流れてたけど、日本が侵略するとか考え過ぎにも程がある。日本で学んで、日本で暮らした人なら、日本人に戦争したい人がいないことはよく知ってる。

 日本の友人たちには、周りの雑音に惑わされずに平和を守ってほしい。




2018-08-27 ロイター 2つの台風が和らげた危機


 東マリアナ海上で発生した台風12号(バンヤン)、台風13号(ハト)が、相次いでフィリピンを襲った。西へと進みダバオを通過した後、南シナ海へと北上、台湾を通過し東シナ海へと抜けて消滅した。

 ダバオでは20名の死者を出し、洪水をもたらして多くの建物を水浸しにした2つの台風だったが、7月から続いている中国とアメリカの睨み合いを和らげる事態も引き起こした。

 南シナ海東部に展開していたフィリピン海軍の哨戒艇1隻が軍との連絡を絶ち遭難。転覆しているのを発見したのは中国海軍の江凱(じゃんかい)型フリゲート艦だった。付近を漂っていた乗員4名を救護し、手当をしてフィリピン海軍に連絡。急行したフィリピン海軍の哨戒艦で身柄の引き渡しを受けた。

 フィリピン海軍広報官のアキオ少佐は、「中国海軍の迅速な救助活動と治療に感謝する。台風が去ったと同様に、我々の緊張も去ってくれることを心より願う」とコメントした。

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