彼は可哀想な人でした

晴嵐 まち

第1話

その時私は彼のことを、心から可哀想な人だと思ったんだ。



私の名前は中村 奈央(なかむら なお)

私立桜ヶ丘高校に通う、高校1年生。

根暗な自分を隠そうと、ちょっと無理して明るく振舞ってる。

見た目は優しそうって言われて、どちらかというと、女子よりは男子に好かれるタイプ。


友達は同じクラスの佐々木 香織(ささき かおり)

見た目は派手めなギャル系。

初めは怖いと思っていたけど、話すとサバサバしていて、凄く頼りになる。

カーストだのグループだの、ぎすぎすしている学校生活の中で、このサバサバ感は一緒にいて楽。


もう1人の友達は遠藤 亜子(えんどう あこ)

クラスも同じ。

亜子は普段、全然何も考えてないと思う。

思ったことはすぐ口に出しちゃうし、良くも悪くも素直な子。

でも嘘をついたり、取り繕うタイプじゃないから信頼できる。

時々発動する、野生の勘のようなものにびっくりする。


そしてもう1人。クラスに気になる子がいるんだ。

名前は間宮 宗(まみや そう)

すらっとした体型に、中性的で綺麗な顔が目を惹く男の子。

話し方も仕草もへにゃんとしていて、何だか女の子みたい。

でも何か気になるんだ。

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