編集長とか編集者

第1話

ちゃんと読もう…と言う意識を持って読まなければ読み間違う…事がある。誰もが毎日使いながら生きている脳が持ち主が持つ先入観や様々な概念、願望や偏見を視覚や聴覚に反映する事を解ってない。

持ち主を傷つけるモノ事から守ったり持ち主の精神崩壊を防いだりする為ならどんな汚い事でもする自己防衛本能の言葉を妄信したりしながら生きている美青年、小蝦侑星は本好きの新米編集者。男感のある美貌と中肉中背の体、漆器の様な瞳と黒髪の持ち主でアフォの侑星はタダで面白い小説が読める…という動機で編集者を志した童貞。

…これもか…。

大量の書類がある室内。そこでベタでつまらない小説を読む仕事をしている侑星はその眉をひそめた。

編集者になったら面白い新作がタダで読めると思ってたのに…。

小説家の卵が送ってきた小説を読む…と言う仕事をしている侑星は刹那、盛大な溜息をついた。

その時、侑星がいる場所から少し離れた所から侑星を見ていた編集長、岸成司がその顔を綻ばせた。