異世界に行ったら彼女がドSな姫君になっていたなんて認めん!

またっつ〜

第1話 最後と始まり

世は地球が滅亡する一時間前の話。


俺達は地球に降り注ぐ巨大隕石を逃れるため

カプセルにはいっていた。現在の科学は凄く進んでいた故に俺達は存在しないと思っていた異世界へと飛ばされることになったのだ。

俺達は疑心暗鬼にカプセルに入り込んだ。

今はメールで彼女とやり取りをしている。

「元気でやれよ」

「まるで別れる見たいなことを言わないでよ」

「仕方ないだろ信用価値もない政府の言いなりとなって俺らは異世界に飛ばされるところなんだぜ?」

「きっと会えるよ」

「あぁ」

「また後で会おうね」

「すぐ見つけてみせるよ」

「うん....待ってる...」

メールのやり取りを終えた後すぐに俺達は光に飲み込まれた。

時の狭間に消えゆく俺にも分かる地球が滅びゆく姿を...


「あいつはちゃんと転移できたかな...」

心配なのも無理はない。彼女と再開できる確率は1%も無かったのだから。

とても憂鬱だ。

光がだんだん薄れ、落下しているような感覚に陥った。

これはよくある変な体勢で寝ていると落下しているような感覚になるアレだ。


どうやら辿り着いたらしい。


カプセルを開けて上を見上げた。

俺も半信半疑であったが異世界には多少の興味はあったのだ。

青い空、白い雲が広がっていたが、いつも見ていた風景とは違った。

どうやら見通しのいい丘の上に辿り着いたようだ。そよ風も気持ちいい。


「そこの貴方、私の定位置を取るなんて身の程知らずもいいところね。」


ん?この声、ロングヘアー、髪飾り、白髪だが、妙に立派な服を来てるし剣を持っている。俺はそんなに遅れてこの世界に来たのか?


「お前もしかして沙音か?」


あぁ説明遅れてすまんな、俺の名前は新城 律希 (あらき りつき) そして彼女の名前が夏希 沙音 (なつき さやね)


「誰よ、そこに居座るようなら叩き切るわよ!」


なんて威風堂々とした奴だ、臆病な沙音と正反対な性格をしてやがる。


「俺は今そよ風を気持ち良く堪能してんだよ。」


「はぁ?」


俺は蹴りをくらった。


「痛っ!初見の男性になんてことしやがる!」


「あんた、どこの族よ!私が誰かわかってる?」


「知らん、わかる程度に教えてくれ。」


「私はエリス王国の姫よ!身の程を知りなさい!」


これは驚いた。こんな大きな態度で偉く暴言を吐く女性が姫だとは。 こんなやつが国をまとめるのか?日本じゃありえんな。


「貴方がいま置かれている立場わかってんの?」


わかる訳が無い地球から飛ばされてきて5分も経たない間に私は姫だとかドヤ顔で言われてもな。


「わからん」


「はぁ?あんた何族よ?」


「わからん」


「はぁ...呆れたわ自分が何族も分からないなんて」


知るわけがないだろ 異世界に説明書が欲しいくらいだね


「まぁ、いいわ」

「何も分からないようだから私が指名してあげる!」

「貴方は今から下族よ!」


「響きからして、地位が低そうだな。」


「あったりまえでしょうが!私の定位置を奪ったあげく退かないやつに高い地位は与えないわ!」


「それと地位について説明してあげる。このメルデンと言う星は身分制度が存在するの、偉い順から 王家 貴族 優族(ゆうぞく) 平族 下族よ!」


案の定一番低い身分だった。


「王族はそのままの意味」

「貴族は優族で成功したものが登ってくる族」

「優族は生まれながらいろいろな才能をもつ族」

「平族はごく一般的な族」

「下族は王族が下僕として扱うのよ!」


それはそれは異世界に飛ばされてから早速下僕とはなかなかメンタルに響くぜ。


「王族は抽選で引き当てて下僕を扱うの!」

「もし貴方を引き当てた人がいたらその人は哀れね。」


なんて失敬な奴だ、プライバシーの欠片もないのか。


「あーあ大切な休暇を貴方のために使うなんて寿命が縮むわ。帰る!」


「あー、待ってくれ!俺はどうすればいい?」


「エリス王国の城下には下僕の抽選待機所があるのよ。そこにいって全てを王族に捧げなさい!」


と、沙音似の姫は去っていった。


「じゃあ城下町へ行くとしますか。」


道を歩きながら先程の姫の事を思い出した。あれはきっと沙音だよな、性格などはひねくれてるけど。


城下町に辿り着いた。


凄く賑やかだ


路地裏に入るとそこには下僕待機所があった。

「Hey!そこの君、下族だったりするのかい?」


なんて直球なやつだ


「そうですけど」


「ハハッせいぜい頑張りたまえ下僕としてな!それと君のナンバーは33ね!」


ムカつく野郎だぜ


下僕待機所の中に入った。そこには100人近い下族とそれを抽選する王族がいた。


ナンバー1番○○家の下僕です。順々と言われていく。下民の扱いはとても酷いようだ。


とうとう俺の番になってしまった。


ナンバー33番はエリス家の下僕です。


「ん?なんか聞いたような。」


契約人と待ち合わせた場所に行った。

「随分とデカイ城だな」

そこに居たのは アイツ だった。


「うげっ、」


なんだあいつ俺をみてそんなショックだったか。


「なんで貴方が私の下僕な訳?神の仕打ちかしら。」


なんて事をいいやがるそんなに俺は邪魔か?


「まぁ、よろしくな」


「いいわ、ビシバシ使ってあげる、死んでも知らないからね!」


俺はこいつが本当に彼女か知るために聞いた。


「お前の名前って....」


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