第28話 帝国軍魔導師団 定期報告会




魔導師団58部隊本部





本日は定期報告会がおこなわれていた。





形式的な報告が淡々と進む。

隊長「他、何か報告のある者はいるか?」




メリッサ「ひとつ いいでしょうか?」




きつい目にキリリとした真面目な口調

メリッサは良く通る声で話す。




メリッサ「地を這う悪魔グリーヴァルムのことです」




全員にピリッとした空気が走る。

メリッサ「隊長は、出来る限りの不確定要素は取り除けと命令なさいましたよね、まだ『その要素』を取り除けていません」



隊長「メリッサ、そこまでにしろ、混乱を避けるため、その件はまだ公にしていいモノじゃない」



「・・・」

その場にいる全員が静まり返る。

隊長は仕方なく話を始める。

妙な憶測ばかり飛び交っても兵の士気に影響するだろう。




隊長「・・・あー現在までわかっているのは4つだ」




・外傷はほとんど見られない

・戦闘において使い物にならなくなる

・何をされたか口にできず、膝をつく

・魔術の痕跡が全くない




魔術の痕跡については、中央の魔術の研究員が断言したんだ間違いはない。

だが、最後に意味深にこう付け加えていたな



『断言してもいいが・・・口封じするほどの強制力を与えるのは・・・魔術以外ありえない』



だそうだ。




「・・・」




ゼイル「おお・・・なんかヤバそうだな」

ごくりと息をのむゼイル



メリッサ(結局・・・『何もわからない』ってことじゃないですか)

内心、呆れるメリッサ




「だが!!!・・・そんな化け物、俺の魔体術でボコボコにしてやるぜ!!!」

「お前、ホント呑気ね」



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