第2話 キャラメイキング





君には高校生を演じてもらうという展開






「それでは・・・お前の名前を決めなくてはな」



身寄りのない俺を引き取った師匠

俺に名前がないことを聞いて、

まるで拾って来た捨て犬に名前を付けるかのようにそんなことを言い出す。



「・・・ケイシュウ・・・脛を蹴ると書いて、『脛蹴』はどうだ?」




ちょっと画数多過ぎる気がする。




「もしくは・・・『スネ夫』・・・うん、スネ夫悪くない」

・・・ケイシュウでお願いします。




「む、そうか」

少し残念そうな師匠




・・・危なかったな





$$$




ここは、

桜花国ではない遠い遠い異国の地





『学術機関』で授業を受けるケイシュウ



放課後・・・



通りに路上駐車されている自走車モービルの後部座席に乗り込む。

運転席の金髪の女性はミラー越しにニッコリとケイシュウに微笑みかける。



「お疲れ様です。ケイシュウ」



「どーも」



「不機嫌ですね、どうされました?」



「・・・」




『学術機関』はつまるところ『高等学校』である。もう既に いい歳の俺が通う必要があるのか甚だ疑問だ。

そんな疑問・・・帰ってくる答えは決まっていた。




「あなたは少し常識を身に付けた方がいい」





余計なお世話だよ。





いい歳したおっさん(21歳)が子供と一緒に授業受けるのは肩身が狭い。


「一見して地味なクラスメイト しかし その実態は軍部に属する特殊工作員・・・そういう展開は男子の大好物ではないのデスか?」

ぷぷ・・・いたずらっぽく笑う女性


むしろ 痛い だけだから



「当初、あなたのダミーの就職先を探していましたが『最低限、学術機関くらい卒業しておかないと』という結論を上層部は出しました」




あなたが『裏の仕事』さえキチンとこなしていれば、何も問題はありません。




「別に文句はない・・です」

そう言い捨てて、車の扉を開けて出ていく。


金髪の女性はふっとため息をついた。



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