不治の病
また夜に疾駆っている
あてはない
はしらなくては気が済まなくて
はしる
海沿いの臨海線は
孤独を深めるのに最適な
高架の下の暗い道だ
そんな道がいい
どこまで走っても
行き着く場所は僕にはない
ただ時間が経つために走り
時間が経てば安心して戻る
それだけだ
それでも走るしかない
部屋でじっとしているのは
避けなければいけない
じっとしていたら
もう気がおかしくなって
誰かを殺してしまいそうだ
酷い妄想に苛まれたとき
自分が死なない代わりに
他の誰かを殺す
僕はそっちがわの人種なのだから
朝がきて
この淀んだ黒い空気をかき消し
清々しい光を浴びるまでは
どうしても走っていなければならない
間違いない
僕は狂いだした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます