二次元病なのに恋をした。

緋色

第一章二学期後半

第1話【ここはほんとに三次元?】

「ねむ...」

私はお母さんの車に揺られながらあくびする。

「日菜、あんたまた夜中までアニメ見てたの?」

呆れた顔でため息をつく。

「悪い?アニオタに何言っても無駄」

と、私は言い、また一つあくびをする。

私は葵 日菜。弟が重い病気にかかり、隣町に引っ越して来た。そして今日は転校初日。だるいわー。学校行くぐらいなら、美少年な弟の看病してる方がイイわー。と、学校に行きたくない理由をひたすら述べる...が、お母さんは「はいはい」と聞き流してしまう。真面目に言ってるのに...三次元の残酷さに涙を流しそうになっていると、転校先の学校に着く。そして校長室で先生にあったりなんやかんやして十数分後...【2-D】と書かれた札を私は見上げ、クラスを憶えておく。そして先生に呼ばれ、ドアを開け教室に入る。

...何このクラス...美男美女ばっかりじゃねーか!何なの?!微女の私に対する侮辱なのか?!ふざけんな!リア充ども!とか思いつつも顔は真顔で私は自己紹介を始める。

「葵 日菜です。よろしくお願いします。」

リア充どもに、アニメ好きなんて言ったら...

想像しただけで腸が煮えくり返る思いに駆られる。実は、弟は...ってそんな場合じゃなかった!先生に席を案内され、向かう。一番後ろの、窓際の隣の席。私は、席に座り、窓際に座る隣の席の人を見る....ってか、見てしまったの方が近い。だってなんとなくだったんだ。どんな人が知りたかったし...私の隣の人は、私のタイプなメガネ系美少年だった。

美男美女ばっかりのこのクラスで、微女が美男に出会い恋をする....ここは二次元か...いや!恋してないし!好きじゃないし!と、あたふたしてると、メガネくん(仮)は窓を眺めていたが、私の視線に気づき、こっちを見てにこりと笑う。

天使か?天使なのか?!胸が苦しくなる。

今日はまともに過ごせそうにない...

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