異世界で初めてパーティーに入れた美少女が元クラスメートで魔王だった件 スピンオ

柊木緋楽

①異世界に生まれて初めて旅に出た幼女をなかなかパーティーに入れる人がいない件

第1話「ロリの旅・始動編」

1


私は、イリシア・ルーク・ソルデア。

ラティア王国・ミリア村に生まれ、幼稚園で高校生レベルの魔法・「ウィンド・スティール」を習得した、スーパー幼稚園児である。

ん? なんだって? 大学生? なんだそれ。弱い敵か?

まあ、そんなことはどうでも良い。

とにかく、スピード卒業した私は、これから魔王と戦うべく、修行に明け暮れていた。

しかし、今日でもう修行も終わり、明日には旅に出ることになる。

ふふふ。明日は楽しみだな。

表通りを通る美少女達のことを考えながら、眠りについた。


……


翌日。

ベッドから跳ね起き、支度を始める。

冒険用の服、1日分の白米。

母はこれだけあれば大丈夫だと言った。

そして最後に、私にこの笛を渡して、「いってらっしゃい」と言った。


この笛は代々我が家に伝わる魔力増強の笛だ。

一度吹けばたちまち、吹いた者の魔力が溢れ出す程に増え、肉体に魔力が染み渡り、どれだけ魔法を使っても魔力が無くならなくなる。……らしい。


「行ってきます」

私はそう言い残し、微笑みながら家を出た。

……その直後、トラブルは起きた。

村を出て数分、村を囲う森が静かになったのを感じて、私は構えた。

おもむろにポケットから笛を取り出し、軽く吹く。

そしてわたしは気付く。

後ろから何者かが追ってきていることに。

私はとっさに後ろを振り向くと、その脅威が露わになった。

体長3mを超える巨大犬だった。


「掛かってきなさい!」

中二病混じりにそう言った私は、その魔獣に杖を向けると、詠唱を唱えた。

「ウィンディ・メッサー!」

風のやいばが、魔獣の喉仏をかっ斬り、血が吹き出す。

魔獣は奇声を上げ、狂うようにイリシアに飛びかかるも、その間に血が途絶え、命を落とした。


イリシア・ルーク・ソルデアの初陣は、見事に勝利に終わった。

「さてと、ギルド登録してこの魔獣をクロムに変えないと。」

そう言ったイリシアは、魔法で魔獣の頭を切り落とし、持ち運びのために持ってきていた木車に乗せて再び歩みだした。

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