第2話 ピーターパンシンドローム


僕を育ててくれた親にはもちろん感謝しているし、この決断を死んでからきっと後悔するだろう。それでも、何も行動できずにとどまり続け、死人が川を漂い続けるよりはずっとましだと思ってしまう。


────18年。生きてきたのは。たったそれだけ。もし、僕が長生きしてればいいことがあるだろうか。

そんなに先の未来は今の僕には考えられない。



"死にたい"というスレをたてると群がる人たちがいる。


頑張りましょうという人。

ありがたいけど、僕は余計に死にたくなってしまう。これ以上何をどう頑張ればいいのか。例えるなら、昔の不当な取り調べなようなもので、身体を拘束され、机に頭を押し付けられてまぶしい光源を与えられるのと同じ。


死にたいなら死ねばいいという人。

僕の場合なら、こう返す。ありがとうございますって。


死にたくなくても死んじゃう人だっているんだという人。

精神疾患も病でこの病で死んだ人は、実に愚かな命だって死んだあとでさえ責められなければならないのか。

命の押し付けはうんざりなんだよ。



こういうスレたてる人は誰かにSOSを出してる人出したくて出してる。

死にたいやつはとうの昔に死んでる。


違う。僕はそんな終着点を見つけたくて話してるわけではない。

私今死にたい、助けて欲しいって叫びたかった。

声に出したかった。

でも、僕にはわかりあえる人がいなかった。たったの一人も。

怖くなってもう声がでなくなってしまった。

ネットの世界じゃ、声は必要ない。指さえあれば、SOSが出せる。だが、結局僕が求めてたものは返ってこない。僕は何を求めているのだろうか。僕は何様で、いつから成り上がった気でいたのだろうか。


こういう堂々巡りの理論を永遠に続けて漂い続ける。着地場所はいまだに見つからない。

だから、手っ取り早く"死"という選択肢を選びたくなってしまうのだ。




意気地のない僕は生きるか死ぬか賭けすることにしたんだ。

結局のところ、生まれてからの18年で僕は僕自信の生死さえも決められぬ生物に成り下がってしまったのだよ。


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