第八回 三者面談
自慢でもないが、小さい頃から成績は優秀な方だった。いわゆるあまりやらなくても人より勉強ができるタイプで、体育は出来ないけど、通知表は(体育以外)そこそこ良かった。とはいえ、自分よりできる人なんて周りにたくさんいたけれど。
そういうわけで、三者面談に苦痛はない。性格はおとなしく、穏やかだったし、問題行動は起こしてこなかったと思う……。三者面談は先生に褒められる場だった。
しかし、なぜか涙が出る。実際にこぼしたことは一度しかないけれど、それはもう今にも溢れるのではないか、というほどに眼球を覆ってしまう。あれは一体なんだろう。先生に自分の話をされているというあの状況はどうしても目を潤ませずにはいられない。
そういえば、面接練習でも一度、そうなったことがある。自分を語るのが嫌なのか……なんなのか。緊張だろうか。
対処法は、未だない。
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