第34話田中1-7
「あぁ仕事はねー。
やったはやったけど、影でボロクソ文句言ってたでしょ?
それで 仕事はやった と威張られてもねー」
「ボロクソ文句は言ってません!
あれは小西さんが嘘をついて・・・」
「小西さんを嘘つき扱いする気?どこまで性格が悪くて非常識なのか・・・」
「しかも盗み聞きしてたとか。今時の若い子ってこわーーーーい」
・・・・・・ダメだ。
話にならない。
「もういいです」
事務所に背を向けると、
「だからロッカーの中の荷物持って帰ってって言ってるのに。
全部捨てちゃうからね。邪魔くさい」
2人の笑い声が聞こえてきた。
・・・・・ムカつく。
どうせ何もしてくれないと思うけど、今日の事を店長に連絡してみる。
答えは思っていた通り
「そりゃ無断欠勤したらクビになるよ」
だった。
無断欠勤していないと伝えても、
「高谷と佐藤がそう言ってたから、間違いない」
と譲らない。
やっぱりパートの私じゃ、副店長には この店 では勝てない。
じゃあここなら?
スマホのアルバムを開くと前回事務所で撮った画像を拡大した。
連絡先をメモし、一旦閉じる。
メール画面を起動すると、働いている店名・パート名と共にこう打ち込んだ。
「事前に休みの申請をしたにも関わらず、無断欠勤の罪でクビになりました。
私は本当にこのままクビなのでしょうか?」
送信。
そこはこのパート先の告発室への連絡先。
全国展開しているこのお店には、社員から嫌がらせやパワハラを受けた時、パートがSOSを送る事が出来る連絡先が存在しており、その連絡先が壁に貼ってあった。
いつも休憩の時に眺めていた。
何かあったら最後に使ってみようって。
個人経営のお店なら、私はこのままクビになっていたかも知れない。
でもここは全国規模のお店。
パートの私でも何とかなるかも!
クビになったパートの私が押した起爆剤。
何処まで暴れられるか。
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