第6話小西 由佳子1-6

「ママー。今日はどうしてお弁当が1つ多いの?」


時間がない朝。

お弁当を作っている所に娘がやってきた。



「別にどうでも良いでしょっ!

早く着替えてご飯食べなさいよっ!時間がないんだから」


大きな声で言わないでよ!

旦那に気づかれるじゃない!




旦那は・・・・・というと、弁当には興味ないみたいで優雅にTVを見ている。

さっさとご飯を食べさせると、家族を追い出す。

念入りにメイクと髪型を完成させると、お弁当を2つ持ち家を出た。

1つ余分に作ったお弁当はもちろん・・・・・・。



「おはよう!高谷さん。

今日はお弁当作ってきたんだ。

どうせ毎日コンビニのお弁当ばっかり食べてるんでしょ?

栄養が偏るかと思って・・・・」


そう言い完成したお弁当を手渡す。



「えぇ?!俺にお弁当作ってくれたの?

ありがとうー!嬉しいな~」



受け取ると満遍のえみを浮かべる高谷さん。

中身は冷凍食品とスーパーで買ったお惣菜なんだけどね。

普段スーパーとか行かなさそうだから、バレないかな?なんて。



「高谷さんの為に作ったんだよ。

どれが美味しかったか感想メールで教えてね。

それで・・・・シフトの事なんだけど・・・・。

旦那が今月も生活費くれなくてお金がキツくて・・・・、出勤日もう少し増やせそう?」



「あぁ、いいよ!任せておいて。

シフト作るの今月から俺になったから、自由に入れれるから」


「ありがとうー!」



これでシフトも増やせた。

来月のカード支払い分はなんとかなったかな?

旦那が生活費くれないとか大嘘だけどね。

嘘ついたってバレやしない。

だってこの職場の人たちはうちの家族の事何も知らないじゃない。

所詮パートだし。

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