二階から目薬

めぞうなぎ

二階から目薬

「星空が綺麗だね」

「あれは何の星?」

「黒星だね」

「縁起が悪い」

「目下空を見上げているわけだけど、上目遣いの反対って何だろう?」

「下を見てるわけだから……落ち目?」

「意味が違う」

「視力が弱かったら、弱り目で目つきが悪くなるから祟り目だね。ジト目だね」

「一人で何を言ってるの?」

「茶色の瞳の人はお茶目だね」

「問題になるよ」

「大目玉喰らう羽目になるかな」

「その目算は高い」

「私の目論見が……」

「目先の事だけに捉われず、目端を利かすために、もっと鳥瞰って言うか、広い視座で構えた方がいいよ」

「鳥の目線はいいんだけどさ……」

「うん?」

「鳥目だと暗い状況下では夜目が利かないよね」

「駄目か」

「どう贔屓目に見ても」

「目が五つ入ってるから五目だね」

「勇んで欲目とか言わなくてよかった……。今回の目玉ボケだね」

「目に目をかけておいた甲斐があった」

「以上、題目は目という名目でお送りしました」

「またの機会にお目にかかりましょう」

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