おでん
去年末の話だ。
ファミマのおでんが『塩白湯ちゃんこつゆ』というつゆで販売しているのを見て驚いた。
そもそも白湯鍋がちゃんこ鍋のつゆとしてポピュラーだったかも俺は知らない、当たり前のように2つの鍋料理の名を冠したつゆをファミマは突然売り出してきたのだ。おでんに。
テレビでは毎日横綱が後輩を殴った殴らないで騒いでいるこのタイミングで、最近始まった貴乃花の息子のラジオ並に相撲を連想する商品を出してきたファミマは持っているのか空気がよめないのか面白がっているのか。
ともかくおでん汁が一斉に透明な茶色いスープから白濁した濃厚な色合いのスープに変わったのだ。
おでんに白湯スープが合うのか物は試しにとなんぼかおでんを買っていこうと思いセルフで商品を取るおでん鍋を覗いてみた。
見えない・・・
蓋開けて湯気でメガネが曇って見えなくなったのではない、汁が本当に真っ白で鍋の底に浸かっているおでんダネがことごとく見えないんだ、玉子はどこだ?大根はどこだ?ちくわぶなんてもはやカメレオンに転職だ、といちいち鍋の底に沈む未知のおでんダネをトングで掴んで探さないといけない。
同じように何度もトングで掴まれたのか心なしかボロボロになっている気がするおでんダネを幾つかチョイスし、白湯スープを注いでレジに持っていった。
家に近すぎて顔なじみになっている店長が苦笑いを浮かべ僕に言った。
「汁が真っ白で何が入ってるか見えないんですよねこれ・・・」
今ではどの店舗も普通のおでん汁に戻った。僕はかつてAMPMで販売していたとれたてキッチンを食べてみたかったことを思い出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます