お使いなんだけど!

「国王今日は機嫌が良いですね。何かありましたか?」

アレンシアは国王が機嫌が良い姿を見て少々不安だった。


「おつかい頼まれたから機嫌が良いんだけど」

そう言うと国王は右手に持っていたカバンをアレンシアに見せつけた


「おつかい!?誰に頼まれたのですか!?」

アレンシアはかなり動揺していた。


「ドリー!」

国王は左手でピースサインをしながら答えた


「おつかいなら私が行きますから国王は城でゆっくりなさって下さい」

アレンシアはそう言うと国王の手からカバンをとろうとした


「嫌なんだけど」

国王はとられそうになったカバンを身体中の力を使ってとられないようにしていた


「はぁ、、、」

アレンシアはため息をついた

ここまで国王がおつかいに行きたいだなんて知らなかった


「国王、何を買ってくるのですか?」

自分がおつかいに行くのを諦めて国王に聞いた


「ダイヤモンド二個!」

国王は又もピースサインをした


「は!?」

アレンシアは思わず言ってしまった

なぜなら普通おつかいに頼むなら大根や玉ねぎだろう

ダイヤモンド二個なんてそんなイジメのようなおつかいを頼むなんて。

しかも国王に、、、


アレンシアは頭の中が混乱していた


そのアレンシアを見ながら国王はスキップして城を出ていった


国王はまず最初に魚屋に行った


「らっしゃい!お嬢ちゃん何かお探しかい?」

魚屋の店主は国王とは気づかずに聞いた


「嬢ちゃんじゃないんだけど。国王なんだけど」

国王はそう言うと店先に並んでいたイワシを地面に投げつけた

そして泣きながら魚屋を出ていった


「嬢ちゃん!!お店の物になにしてくれてんの!!」

店主が怒って追いかけようとするところに一人のお客が来た


「その地面に叩きつけられた魚おいしそうじゃないか!それを貰おう」

ニーラ大臣はよだれをたらしながら言った


「え!?お客さん地面に落ちてますよ、この魚」

店主は驚いて聞いた


「地面に叩きつけられた魚だぞ!!興奮するではないか!」

ニーラ大臣は顔を真っ赤にして言った



そのような事が起こっているとも知らずに国王は次の店に向かった。


野菜屋に着いた


「お嬢さん!良い玉ねぎ入ってるよ!!」

店の店主は悪気なくそう言った


「だから、お嬢ちゃんじゃないんだけど!!」

国王は店先に並んでいたニンジンを店主に投げつけた。

そして泣きながら野菜屋を出ていった


野菜屋の店主は何が起こったか分からずボーッとしていた

すると、、、


「店主よ、その投げつけられたニンジン一本貰おうか」

ニーラ大臣は又もよだれをたらしながら言った


「ま、まいど、、、」

野菜屋の店主は混乱していた。


その頃国王は目的地の宝石店に着いた


「ダイヤモンド二個なんだけど」

国王はピースサインをしながら言った


「分かりました、国王。ダイヤモンド二つですね」

そう答えた宝石店の店員の名前はアレンシアといった。

アレンシアは国王が出ていった後すぐにヘリで宝石店に行った。

そして国王が来るまで待っていたのだ



国王はダイヤモンド二個を貰うと嬉しそうにお店をあとにした


城に帰った国王はアレンシアにカバンを見せつけた


「買ってきたんだけど!」

国王は誇らしげな顔で言った


「さすが国王様です」

アレンシアは少し疲れていた


「ところでダイヤモンドはどこに?」

ドリーが聞くと


「どっかに落としてきたんだけど」

国王は半泣きで言った


「落としてきたんだけど!!」

国王は二度目にそう言うと泣き出した


ドリーとアレンシアは何も言えなかった

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