【短編】東京オリンピックを中止せよ!!

絶望&織田

オリンピック

※過去作、加執修正。



これは私達が住んでいる世界、並行世界の物語。


20××年。


〇〇首相は昨今起きた熊本地震に伴い、意見を述べた。


「今、日本では先の東日本大震災、そして熊本地震により多くの国民の皆様が苦しい生活を余儀なくされています。そんな中で『東京オリンピック』を開催するという事はできかねます。誰かが『被災地を勇気づけるために絆を持って開催しよう』と言うかもしれません。それはまやかしです騙されていはいけません。オリンピックが開催されれば工事に従事する人員が取られた上で、資材が高騰し、被災地の復興工事が遅れます。大量の税金も投入しなくてはなりません。ますます復興が遅れてしまいます。こんな事はあってはならないのです。そもそも『東京オリンピック』は『東京』だけで開催されるのです。地方は蚊帳の外であります。なのに全国の納税者のみなさまから血税を使うことになるのです。こんな馬鹿げた『絆』があるでしょうか?決して許されません。これは『絆』にあらず!これは国民を縛り苦しめる『鎖』にほかならないのです!ゆえに私は関係各所に伝達いたしました」



───『東京オリンピックを即刻中止せよ!』



テレビで語る首相演説に被災地は勿論、日本国民全てが固唾を飲んで見守り、涙を流した。


税金は被災地復興に回され、東京には多くの原発が作られ被災地へ電力を無償で送り続けた。


首相は語る「日本の首都として今まで地方や被災地に多くの無理をさせて来ました。今度はコチラが恩返しする番です」と。


その数年後、東京大地震が起きた。


東京は跡形もなく壊滅、東京都民の多くが死傷もしくは、破損し溢れた原発の汚染水によって汚染された。


被災地は勿論、日本中から被災者支援に乗り出した。


皆が口にするのは「今度は私たちが東京に恩返しをする番です」と。

世界はそれを見て「トモダチオリンピック」と揶揄。


世界中で賛否両論を巻き起こす中、日本は無事、復興を成した。


後に、コレを「日本式復興術」として、世界の国々が讃えた。


おわり

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