(二)『林辺(はやしべ)の  麓(ろく)で契りし  君の名を  呼べば消え失す  夢のあとさき』

 林辺(はやしべ)の

 麓(ろく)で契りし

 君の名を

 呼べば消え失す

 夢のあとさき


『林のそばの、山の麓(ふもと)で契った貴方の名前を、呼ぶと儚く消えてしまう。逢瀬の前には憧れていられたものを、経験し終わってしまえば何とも虚しく切なくなり、もう前(さき)の自分には帰れないものです』

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