大人ってなんなんですか?

いある

答えのない問い

『大人になれよいい加減さぁ』

 また、この言葉だ。

 自分が大人だと気取った人間は皆そう言う。親だって、先生だって、上司だって、先輩だって。

 きっと同じことを言うだろう。大人になれ、という言葉を発する人は自分が『大人』であると確信を得ているに違いない。

 全くもって不愉快だと思う。純粋に。単純に。

 辞書的な意味で言うのならば『成人した人間』という区分になるのだろうが、きっと線引きができるほどこの言葉は軽くない。

 成人していれば大人なのだとしたら大人になれ、なんて言われるわけがない。時間という物はどの人間に対しても残酷なまでに平等だからだ。

 だから大人≠成人だと私は思う。


 じゃあどうすれば大人なのだろうか。

 よく耳にする使い方としては『精神的に余裕がある』といった意味合いだろうか。

 小さい子を褒めるときに『君は大人だね』なんて言う人もいるけれどそれはきっと大人ではない。

 だって私が目にしている大人とやらには余裕が無い者もたくさんいる。過労死のニュースなんて最もたる例だ。精神的に余裕がある?馬鹿を言うなとあざ笑いたくなる。

 結局大人ぶっているのは都合の良い状況を作り出したい自惚れた人種だけなのだ。

 反吐が出る。

 無論の事、ちゃんとした大人だと思える人間もいる。

 けれど圧倒的に自分が優位に立ちたいがために相手を子ども扱いしている人間が多すぎる。所詮お前の価値はその程度なのだと見下していると同義だ。

 辟易する。

 つまり精神的に余裕がある≠大人である。


 結局大人とはどういった性質のものであり何を基準にしているか。

 きっとこれは永久に答えの出ない問いだと思う。


 絶対に自分が大人だとは証明しきれないと言い換えてもいい。

 その上で問いたい。




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