日本国モフモフ難民500人

ぺり

第1話 出会い

 僕の名はケンイチ夏休みに長野県赤鹿村に有る、おじいさんの家にお父さんと一緒に遊びに来ています。おじいちゃんの家は信州の山奥にあり、過疎化が進み子供は遊びに来ている僕だけです。


 おじいちゃんの家のしば犬のジローと一緒に、山の中で遊びまくっていましたが、ある日突然山奥から、沢山の人がぞろぞろと疲れた足取りで現れました。


 犬のジローは低く唸りながら警戒しています。僕はジローを横抱きにしながら呆然としています。


 先頭の人が僕に気づき、ゆっくり近づき話しかけてきました。


 「わしらはガーリック村から来たのだけど、ここはどこの村だべさわん。」聞き取りにくい言葉で話していますが日本語のようです。


 僕もジローを従えて近ずいてみたのですが、何か変なのです?

おじさんの顔が・・・・・・・・・・・・・・・・犬なんです!


 お尻からは立派な尻尾がゆらゆらしています。着ている服も粗末だと思いませんが、何というか時代が古い様な感じがします。背は高くなくて普通に二足歩行しているのに、皆んなの顔や体が動物なんです?


 小さな子供達もいますが、犬や猫や狐みたいな動物顔なんです!一様に疲れた顔で、中にはしやがみこんでいる子供達もいます。


 ジローがその犬顔のおじさんに近づき、臭いを嗅いでいるのですがおじさんが手をだすと、ぺろぺろ舐めだし顔も舐めだしたのです!


 「おおーこれはわしらの先祖さまかのーわん!」何やら変なことを言って、その犬顔のおじさんはジローの顎を撫で始めました。


 何か外国人の様ですけど悪い人には見えなかったので、この山を下ったところに村がありますと犬顔のおじさんに伝え、ぼくが村の皆んなに伝えに先に下りますと、言ってジローを連れて走って裏山を下りました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 すぐおじいさんとお父さんを裏山の麓に連れて行きますと、犬顔のおじさんと何十人かの動物顔の人達が佇んでいます。怪訝そうに相手をみていた父は、犬顔村長を見て唖然としています。


 ただおじいちゃんはニコニコして、犬顔村長としやべって「ふんふんそりゃー大変だったずらー」と相槌をうっています。ジローは喜んで犬顔村長の周りをぐるぐるまわって、撫でろ撫でろと甘えています。


 「とにかく皆んな腹減ってるかやー、村の衆集めて炊き出しするだに、皆んな付いて来てくれずらー。」と村の集会所に向かうのです。


 小さな集会所は大勢の動物顔の人達で、大混雑になっています。


 おじいちゃんは家からあるだけの米袋を持ち出し、僕と父さんで今朝採れた野菜と一緒に、リャカーで集会所に向かいました。徐々に村人が集会所を覗きに、集まりだしてきました。


 皆んな難民の顔をみて腰を抜かすほど驚きましたけど、何というか見覚えがあり愛嬌のある獣顔がまるで今飼っている猫や、昔いた犬を思い出してほっこりしてくるのです。


 集会室の調理場は大忙しです、何年も前に廃止となった祭りの再来みたいです。おばあちゃん達による米炊き、おにぎり作り、大皿に盛った野菜や漬物、川魚の干物など盛りだくさんです。


 着の身着のまま逃げ出した獣人の人達は、初めての日本国での食事になったのです。『うまいにゃー!おいしいだワン!』皆んな喜んでくれているみたい。


 犬顔村長(名をコロルというそうです)が、おじいちゃんに深々と頭を下げて「虐げられていた我ら獣人族を、このように持て囃され誠に感謝しております。それでですが残りの民が山の中で待機しており、その者達を呼んでもよろしいですか?」と申し訳なさそうにお願いされました


 「ほうほうそれはそうずらー、わしが難民になって違う国に行っても警戒してそうするでなも。」ではすぐに迎えに行きましょう。





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