5月21日
『必要なこと』ってなんなんだよ。こんなノートで何がわかるんだよ。
「……つーかKは、いったい何が面白くてこんなノートを読んでたんだ」
「まだ最初の部分しか読んでないから、これから何か分かるのかも……ま、とりあえず今日はこれくらいにしておこうかな」
「いや、もうやめた方がいいですよ。読んだって頭痛がするだけじゃないですか」
「そんなことないよ」
「へ?」
Mは俯いて、ぱたんとノートを閉じる。椅子を引いて立ち上がると、彼女は小さな声で呟いた。
「たしかに内容は破綻してるし、頭がこんがらがってくる。でも」
「……でも?」
「私たちが思ってる以上に、あの子は私たちのことをよく見てたんだって。それだけは、すごく伝わってくるんだ」
そう言うと、Mは無言で俺にノートを差し出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます