第2話 優しい笑顔はまるで花のように
「みんな、おはよう!」
教室全体の空気をパッと明るくするその声は私の親友、森山優花だ。
優花が声をかければみんなが笑顔になる。
男女分け隔てなく、みんなに微笑む優花に誰もが頬を赤くする。
優花は私達の太陽だ。
「幸〜!聞いて聞いて!昨日ね……」
私を見つけて飛びついてくる優花。
目を輝かせながら表情をクルクル変えて昨日のドラマの話をしてくる。
表情豊かなその姿は本当に可愛らしくて思わず笑ってしまう。
「何?幸、笑わないでよ〜。ちゃんと聞いてる?」
「ごめんごめん、相変わらず忙しく喋るなあって。見てて面白くて」
そう言って二人で笑う私達。
優花は私だけに話しかけているけど、本当はみんな優花を見ている。
そうやって優花の隣にいる私に嫉妬と羨みを込めた目線を送ってくる。
これまで何人もの人が優花と私の間に割って入ろうとした。
別に私も優花も拒んだわけじゃない。
ただ、みんなそこに自分の居場所がないことを理解して自ら去って行った。
「優しい花」
と書いてユウカと呼ぶその名前。
彼女の笑顔はまさに花だ。
今まで「優花」と同じ名前の人に何人か会ったことがあるけど、優花ほどこの名前が似合う人は他にいない。
優花は私とは違う。
特別な女の子なんだ。
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