第Ⅱ章 伊藤崋撫は、和泉佑樹のことを気にしている

第8話

時は流れ、入学式の日になっていた。

そして、今現在俺は、生徒会長の話を聞いているところである。


栗林高校生徒会長は、美人であると有名である。

名前を伊藤華撫いとうかなでという。

「新1年生の皆さん。この度は、本当にご入学おめでとうございます、では、私からの話はこの辺にしとおきます」

そうして、生徒会長の祝辞は終わった。

それからも、入学式定番な、話が続いて、やっと終わった。

ちなみに、博之とは、クラスが違うためまだ会っていない。

……これって、博之になんて言うべきなの?

──彼女できたぞ。

いやいや、嘘はいけないよな。じゃあ、

──妹ができた。

意味がわかんない!ならば、

──恋人はできなかったけど、兄妹にはなったぞ。

うーん、なんかさっきのとたいして変わってないようなー、まあ、その時になったは、どうにかしてみるか。


そして、その日は、教室に入ることなく、解散となった。


「ただいまー」

「あ、お帰り!佑樹くん!」

「うん」

「なんで、帰って来るの遅かったの?」

「少し、寄り道しててね」

「そっかー」

まあ、本当は、博之に捕まり、賭けについて、いろいろとやってたわけなんだけどね。

あ、ちなみに、俺は、へたれて彼女できなかったと言ってしまったから、美少女を紹介することのなってしまった。本当どうしよう……

「で、今日の入学式どうだった‼」

「なんで、そんなに他人行儀なの?」

「そうなんだけどね、でも、客観的のって言うか、佑樹くんがどう思ったか知りたいからかな」

「そう、まあ、素直に今日の感想を言うなら、生徒会長噂通りの、美人だったってことかな」

「………それって、私よりも?」

麻琴ちゃんが不安そうな顔でこっちを見てくる。

「あ、えーと、麻琴ちゃんは、美人っていうかさ、可愛いと思うけど」

「うう、か、可愛い……そう、可愛いか」

おおー、なんか、麻琴ちゃんがめっちゃ顔赤くしてる。

「あ、そうだった。わ、私今から少し出掛けてくるね!」

麻琴ちゃんは、逃げるように、家から出ていった。

じゃあ、俺は寝るとするか。


そして、次の日事件は、発生した。

それは、

──俺の机の中に一枚の紙があった。

しかも、その差出人が、なんということだろうか、生徒会長伊藤華撫だったのだ。

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