39 狂った同朋

「…………っ!」


 渋るリーディア達をどうにか説得し、最奥の間に入るなり後ろ手にその扉を閉ざしたヤーヒム。

 眼前に広がっていたのは、先ほど召喚された漆黒のカーズスライムが無数の黒き水溜まりとなって、未だに靄のような瘴気を吐き出し続けている光景だった。


「――チッ!」


 即座に転移を行うヤーヒム。

 目標は守護魔獣らしき極大のスライムを超えた先、彼方に見えている光点。ブシェクのラビリンスと同じすり鉢状の円形闘技場コロセウムの反対側で、鮮烈な青光を放っているラビリンスコアだ。


 ぐにゃりと歪む景色、一瞬の浮遊感。

 ヤーヒムが五感を取り戻すと、そこにはブシェクのラビリンスのコアよりはかなり小さい、人間の赤子ほどの大きさの青い結晶が鎮座していた。一歩近寄ってみれば、絶え間なく繰り返される低い声が頭の中に潜りこんでくる。



 ――憎イ、許セヌ、人間、殺セ、呪エ、祟レ…………



 これは……。

 コアから漏れ出る濃密で粘り気のある怨念が、思わず足を止めたヤーヒムの頬を舐めるように流れていく。フーゴが語っていたこの迷宮の成り立ちが本当であれば、このコアは人間達の執拗なヴァンパイア狩りに追い詰められた果ての同朋だ。


 が、感情が削ぎ落とされる青き結晶体ヴルタになっても、これほどまでに強烈な怨念が残留してしまっている。よほど苦しい最期だったのだろうか。もしくは、一人また一人と執拗に絶滅まで狩られていったその過程によほど無念があるのだろうか。


 ヤーヒムが更に足を進めても、呪詛を垂れ流すだけでブシェクの時のように向こうから話しかけてくるようなことはない。

 ヤーヒムは僅かに躊躇った後、呪詛のリズムに合わせて青く明滅するヴルタに触れられる位置まで一歩前に進み出た。



 ――ぬ、汝は……



 そこまでしてようやく不気味な明滅が止まり、囁くような低い声が返ってきた。

 やはりというか、あのブシェクのヴルタのような圧倒的な力強さはない。ここまでの階層からも感じていたが、未だ若いヴルタだというのが実感できる。ヤーヒムが以前のままなら到底敵わないような相手だったのかもしれないが、今のヤーヒムはブシェクのヴルタの膨大な青の力を啜り、大きな進化を遂げた存在だ。目の前のヴルタが内包する力というものも、ある程度は理解が出来るようになっていた。


 そして眼前のヴルタの方もヤーヒムがそんな同族であることを理解したのか、滲み出ていた怨念がヤーヒムを避けるように霧散していく。



 ――汝……もしやラドミーラ様の……



 続いたヴルタの言葉にヤーヒムは息を呑んだ。

 まさか、その名前が出てくるとは思ってもいなかったのだ。左手の甲の紅玉からも弾けるような反応が伝わってくる。

 ならば非常に話がしやすい。ヤーヒムは「これが分かるか」とむしり取るように手袋を脱ぎ、溢れ出る濃密な紅光ごと左手をヴルタの前に掲げた。



 ――な、その波動は……なんということだ……おいたわしや…………人族め……許せぬ……



 が、ヴルタの反応は予想外の方向に流れていく。

 ヤーヒムは気を引き締め、その冷徹なアイスブルーの瞳で強くヴルタを見つめ直した。会話は出来ているのだ。ふわりと浮き上がり、掲げた左手にまとわりつくように浮遊する若きヴルタに、ヤーヒムは「教えて欲しい事がある」と切り出した。



 ――何用だ、ラドミーラ様を宿す御子よ……覚えておるか、我はアベスカのコミュニティを率いていたヴァルトルだ……我ら大いなるヴラヌス、内容によっては答えてやらぬこともない…………



 ヴァルトルだと!?

 ヤーヒムはその名を覚えていた。


 間違いでなければ、ラドミーラの玄孫にあたる真に強力なヴァンパイアの一人だったはずだ。齢は四千年以上。真祖ラドミーラの狂信的な支持者であり、ほぼその生涯を通じて他の系譜のヴァンパイア達と激しい争いを繰り広げていたと聞いている。初めのうちはラドミーラも一緒に争いに加わっていたらしいのだが、興味をなくして最後の千年は疎遠になっていたという。その間もヴァルトルは勝手にラドミーラの旗を掲げ、延々と戦い続けていたらしい。


 ヤーヒムはラドミーラに連れられて一度会ったきりだが、その強烈な存在感ははっきりと覚えている。ヤーヒムにとって妙に苦手な相手ではあったが、それだけ強力だった古い存在ならば渡りに船だ。色々知っているに違いない。


 と、そんな考えが頭を巡っている一瞬の間に、ヴァルトルと名乗ったヴルタはゆらりと高度を上げ、ヤーヒムの瞳を上から覗き込むように接近してきた。



 ――ほう、一見した時より随分と……いや、信じられぬ成長ぶり……やはり、汝が特別に創られた御子だという話は真実だったのか……しかし……ああラドミーラ様、何故こんな歪な者を創って……尊い系譜を自ら壊すようなものではないか…………



 ヴァルトルが青い光でヤーヒムのアイスブルーの瞳を更に青く染めながら、嘆くように矢継ぎ早な言葉を発し続けている。

 ヤーヒムがその半分も理解できない内容だ。それにヤーヒムが問いを挟もうと、息を吸い込んだその瞬間。



 ――ぬ、待て……汝、なぜ人族の匂いをさせている……奴らは敵……人族め……奴らが憎い……我ら大いなるヴラヌスの餌の癖に……ヴァンチュラを狩り……追い詰め……



 ヤーヒムが問いを挟む間もなく、眼前に浮かぶヴルタが得体の知れぬ脈動を始めた。鮮烈な青光が密度を増し、不安定な明滅が始まっている。

 そこから濃密に放出されてくるのは、この<呪いの迷宮>全体に漂っていた腐臭のような何か。それはヴルタの前に立った時にはっきりと理解した、全身の産毛が逆立つような、濃密で粘り気のある怨念だ。もはや質量を伴っているとも感じられるほどに凝り固まったその不穏な空気が、ヤーヒムを取り込むように押し包んでくる。



 ――この裏切り者……今からでも遅くはない、我と合せよ……ジガ様も呼んでいる……ひとつになってジガ様の下で共に人族を喰らい尽くすのだ……奴らを本来の家畜に戻し、再び我らヴラヌスの静浄なる永遠を……それがラドミーラ様とジガ様の志を継ぐ唯一の……



 コアがそこまで言葉を連ねた時、ヤーヒムの左手から痛烈な紅光が迸った。それはまるで、ラドミーラの紅玉が激怒しているかのよう。

 その怒り方はかつて、アベスカのコミュニティを形だけでもと訪問した際に、彼女がしつこいヴァルトルに向けたものと同じものだ。



 ――な、なぜ、ラドミーラ様……それがラドミーラ様とジガ様の、我らクラールを継ぐ正統なる系譜の……



 周囲を染める真紅の輝きの中、ヤーヒムの左手から凍りつくような催促が送られてくる。もういい、啜ってヤーヒムの糧にしろ、と。

 だが、ヤーヒムは目の前に浮かぶコアを詰問するように掴んだ。


 クラールの系譜は分かる。かつてラドミーラの系譜のヴァンパイアがそう呼ばれていたと聞いたことがある。

 だが、ジガは遥か昔に姿を消したラドミーラと同格の真祖の名だ。その子らも含めて既にこの世には存在していないはず。それが、呼んでいる、などと……それはつまり、まさか――――


「答えろヴァルトル、ジガが呼んでいるとはどういうことだ? ジガは滅んでいなかったのか!?」



 ――かの御方は滅んでなどいない……我は遂に導きを賜ったのだ…………だが、我はそれを実現する前に人族に追い詰められた!



 かつてヴァンパイアの古老ヴァルトルだった結晶体が、ぶるり、と脈動した。



 ――我はこの場でヴルタにならざるを得なかった! せっかくの導きを無にした! 今もジガ様は我を呼んでいるというに、応えることも出来ぬ!



 叩きつけるような言葉に合わせ、強烈な青の閃光が明滅する。

 そして、まるで実体を持っているかのようにその青の光がヤーヒムにまとわりついてきた。



 ――さあ御子よ、どこで手に入れたかは知らぬがその身に宿した力を我に寄越せ。我と合して共にジガ様の下へと馳せ参じるのだ。さあ!



 ヤーヒムを飲み込もうとする青光を、ラドミーラの紅玉が鮮やかな紅光をもって追い払った。

 そして左手の甲に同化したその紅玉に導かれるまま、ヤーヒムは身体の底から湧き上がる力を左手に集めて――




 ……ヤーヒムの鋭い五感が、遠くの微かな気配を感じ取った。




 時間切れか!

 ヤーヒムは最悪のタイミングで訪れたそれに、歯噛みする思いで鋭く振り返った。



「ヤーヒムっ!」

「父さんっ!」



 ヤーヒムがすり鉢状の空間の反対側、最奥の間の扉に視線を向けたその瞬間に、まるで呼び寄せたようにリーディアとダーシャがその扉を開け放って駆け込んできた。やはりそう、約束の三分はとうに過ぎていたのだ。


 そして、ヤーヒムとコアが対話を始めてから止まっていた、カーズスライムの召喚がまた盛大に始まった。駆け込んできた新たな侵入者に反応したのだ。



 ――ぬ、家畜がまたも我の邪魔をするか……許せぬ……許せぬぞ……憎イ……人間……殺セ……呪エ…………



 広大な円形闘技場の至るところで空間が歪み、そこから無数の黒き粘体――カーズスライム――が湧き落ち始めた。そして呪いが弾け、円形闘技場全域に広がる禍々しい瘴気が、ゆっくりとその濃さを増していく。


 そんな中を、ヤーヒムの名を呼びながらリーディア達は駆けてくる。次々と落下してくる致命的なスライムを紙一重で避け、ジグザグに方向を変えながら駆けてくるのだ。


 その前では守護魔獣たるアイランドスライムが蠕動を始めている。

 小山ほどの大きさがあるその圧倒的な粘体を、土砂崩れのように彼らの方へと――



「――家畜はお前達だッ!」



 ヤーヒムは眼前のコアを鷲掴みにして叫んだ。

 それはヤーヒムの心の叫び。

 憎しみ以外の感情を失い、人を喰らい生存するだけの無機な結晶ヴルタと成り下がる同朋に対する根源的な拒否。真祖ジガが何をどう導こうとしているかは知らないが、結局ヴラヌスという種族自体が相容れぬ存在なのだ。


 そしてヤーヒムは自分に豊かな感情をもたらしてくれる大切な仲間を守るべく、これ以上の危険な召喚を速やかに阻止すべく、手の中で明滅するコアへ一気に牙を突き立てた。


「彼らは喰らわせぬ!」


 濁流のように流れ込んでくる青の力。

 暴力的ですらあったブシェクのコアほど総量はないが、この青の力と向き合うのは二度目だ。前回より効率的に取り込んでいける。青き流れを可能な限り己の内に誘導していくと同時に、眼前の強烈な青光がみるみる弱まっていき――




 ヤーヒムの意識に、ヴァルトルの残留思念が澱のように降り積もっていく。

 それは、ヴァルトルがヴルタとなっても未だしがみついていた強い憎悪。


 走馬灯のように流れるのは、やつれ果てた仲間のヴァンパイアが次々と魔法に斃されていく光景。

 どこかの街の外れで、ヴァンパイア狩りの巧妙な待ち伏せに会ったのだ。


 あるいは草木ひとつない荒野で、人目を忍び、死した獣の血を貪るように啜っている光景。

 かつての栄光など欠片もない、惨めで浅ましい逃亡の日々。


 あるいはここ霊峰チェカルで、執拗な追手に力尽き、胸の奥の結晶が暴走して半端なヴルタに進化していく光景。

 そんなつもりはなかった。心に届いた呼び声に従うつもりが、追い詰められた余裕のなさのせいで致命的なほどに間違ってしまったのだ。その絶望と怒りが、<呪いのラビリンス>として次々に侵入者を喰らい始め――



 蒼光一閃。



 ヤーヒムのヴァンパイアネイルが、かつて同朋ヴァルトルだったコアを真っ二つに叩き斬った。

 あれほど青く輝いていたコアはブシェクの時と同様、無色透明の水晶となって地面に落下していく。今の光景は何だったのか。だが、それを思い悩むよりも今はやることがある。


「……よしっ、カーズスライムの召喚が止まったぞ!」

「ヤーヒムがコアを破壊したんだわ! もう大丈夫!」

「父さんっ!」


「――戻れッ! 撤収するぞッ!」


 ヤーヒムは地面に転がったコアの残骸を引っ掴み、怒涛の疾走を始めた。

 この広大な最奥の間に充満し始めた瘴気は今やかなりの濃度になっている。皆を長居させるのは致命的だ。


 ヤーヒムの叫びを聞いたのか、フーゴがダーシャをその馬体の背中に放り上げて撤退を始めている。アイランドスライムの土砂崩れのような奔流は間一髪届いていない。リーディアもフーゴの後ろを脱兎の如く駆け戻っていく。


 よし!

 ヤーヒムはヴァルトルから啜った新たな力が漲る全身に喝を入れ、広大な円形闘技場を斑に染める無数の黒き水溜りの僅かな隙間を一気に駆け抜ける。


 以前よりあった【ゾーン】の空間把握能力はいっそう精度が上がっている。

 ヴァンパイアネイルの長さも少し伸びたようだ。そしてもうひとつ、先ほど手にしたコアで素早く試したものがあって――


「――邪魔だッ!」


 ヤーヒムは眼前を塞ぐ巨大なアイランドスライムを迂回することはせず、リーディア達との最短距離を結ぶべくその巨体を真っ直ぐ駆け登っていった。

 強く踏み込むたびに黄緑色の粘体が震え、包み込み消化しようと形を変えてくる。そしてすぐにヤーヒムのあまりの速度に埒が明かないと考えたのか、その巨体の頂上が崩れ、奔流となってヤーヒムの方へとなだれ落ちてきた。


「――ッ!」


 渾身の力で跳躍するヤーヒム。

 竜皮のロングコートに包まれたその体が大きく跳ね上がり、うねる粘体の大波を見事に飛び越えた。


 だが、アイランドスライムの巨体は容易く越えられるものではない。

 粘体の大波は足下を通過していくものの、ヤーヒムの跳躍はアイランドスライムの頂上の一歩手前までだ。


 そして。


 落下していくヤーヒムの眼前で、その着地点がぽっかりと大きな丸い穴を形成した。


 このまま行けばその穴の奥深くに着地し、そのまま圧倒的物量を誇る粘体に包み込まれてしまう。

 だが、ヤーヒムの目は捉えた。

 穴の場所は粘体の山の頂上付近、穴の奥にやや粘体の黄緑色が薄い部分があることを。


 少し長くなった程度のヴァンパイアネイルではそこを切り裂くことはまだ不可能。だが――


「ならば!」


 ヤーヒムは空の両手に意識を集中し、身体に漲る青の力を注ぎ込んだ。


 それは今回ヤーヒムが獲得した目玉というべき力。

 コアが空間を司り亜空間のラビリンスを作るように、ヤーヒムも僅かながら亜空間を作成できるようになっているらしい。穴の中に落下しながら両手を突き出し、雄叫びと共に青の力を――



 アイランドスライムの頂上付近、ヤーヒムが落下した穴のちょうど裏側に当たる箇所。



 唐突にそこにいびつな穴が開き、雄叫びを上げる無傷のヤーヒムが飛び出した。


 ヤーヒムが行ったのは、ラビリンスを作る亜空間操作の初歩の初歩。


 両手の先に亜空間を形成し、だが、そこに文字どおり何も、空気ですら入れなかったのだ。

 ヤーヒムが直感的に理解していたとおり、それは<無の亜空間>だ。通常はあえて作るものではない。霧化で隣界に潜りすぎた時にヤーヒムを強烈に引き込もうとする場所、あれより更に苛烈な虚無が広がる異端の空間なのだ。


 ヤーヒムの今の能力ではラビリンスを形成するどころか手の先、ひと抱えほどの球状までしか亜空間を維持できない。

 だが、それを出来る限り完全な虚無の亜空間とし、両手の先から落下地点の穴の奥に叩きつけるように開放したのだ。


 粘体の黄緑色がやや薄い部分、それは頂上の裏側が透けて見えていることを意味する。


 両手の先に開放された虚無は即座にその場にあった黄緑色の粘体を喰らい、周囲に存在する粘体までもを引きちぎって吸い込んだ。暗渠に水が飲み込まれる時のような、腹を抉る不快な音。


 かつてブルザーク大迷宮の守護魔獣、ブリザードドラゴンが吐いた<虚無のブレス>ほどの威力と範囲はないが、その凶悪なまでの悪食ぶりは全く同じだ。


 ヤーヒムの作り出した虚無が粘体の壁の薄い部分を貪欲に喰らい尽くし、そして残った部分はヴァンパイアネイルが切り裂いた。


 そうしてヤーヒムはアイランドスライムを貫通して反対側に飛び出すことに成功したのだ。


「ヤーヒム!?」

「父さん!?」


 フーゴとダーシャがそんなヤーヒムを認め、同時に驚声を上げた。ケンタウロスの強健な脚が彼らを安全な扉の前へと無事辿り着かせたようだ。

 残るは――


「リーディア!」


 ヤーヒムはひと声叫ぶと、カーズスライムの大群に行く手を阻まれつつある大切な存在の許へと一気にアイランドスライムの巨体を駆け降りた。


「ヤーヒム!」


 美しい紫水晶の瞳を大きく見開くリーディアをひと息に抱き上げ、人外の身体能力で強く跳躍するヤーヒム。


「ああ、ヤーヒム!」


 ひしとしがみつくリーディアを腕に、ヤーヒムは蠢く無数の邪悪な黒い水溜まりを飛び越え、目に見える濃度で揺らめく呪いの瘴気を飛び越えて――







―次話『共に歩む者』―

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