主旋律のない奏者たち

狐島

プロローグ 

 「いいかい夏樹、もし嫌いな人がいてもうまくやっていくのよ。」


 久しぶりにこの夢を見た。いや、思い出したと言うべきだろうか。 

 母は俺が小さい時に死んだ。昔から体が弱かったと聞いていたが、俺は苦労をかけてしまった。

 そんな後悔から俺は、母の最期の言葉をずっと覚え、そして実行してきた。

学校では周りの奴らとうまくやっている。自分で言うのもあれだが、特に誰からも嫌われることもなく過ごしている。

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