第21話 mystery 20 ~女神と呼ばれる母~
三島 今日子は俺のかつて妻だった者…………
考えてみれば当然と言えば当然だろう。
彼女の母は久美や朔耶を見て萎縮していた、俺がアマリアや加奈子を初めて見たときと同じ様に。
だが彼女は違った、全く動じず久美や朔耶と話していた。
俺にはまだ現れて居ないかつての妻が何人も居る、神合警備はそれらの者を探す事もしていると言う、其が解るのがアマリア、加奈子の2人だけだと言う。
何故その2人だけしか解らないのかはまだ俺に話すのは早いとの事だが、ここの所俺には何となくだがその理由が解って来た。
先ず記憶を保持して居るのが、楓、久美、朔耶、母ちゃん、そして隠して居るが恐らく愛子伯母さん、の5人と龍牙とアマリアと加奈子の会わせて8人。
その中で俺の中の過去の記憶が無いのがアマリアと加奈子の2人、龍牙は恐らく浩二だ、詰りこの二人は元々現代の人間では無い。
そして俺が第一段階の覚醒をしてから気付いたが、楓、母ちゃん、愛子伯母さん、とアマリアと加奈子、この5人は他の3人と比べても別格だ、何かが違う。
特に楓と母ちゃんと愛子伯母さんはヤバすぎる位何かが凄い、何が凄いかと聞かれても今のところ解らないが、兎に角何かが別格だ。
この意味で行くと、俺は恐らくあの加奈子とアマリアとは多分向こうで共にタイムスリップ当初から戦っていたのでは無いだろうか? 別格の3人とはもしかして向こうであっては居ないと言うか、タイムスリップすらあの3人はしてないんでは無いだろうか?
そしてもう2人、異様な者が居る、理恵と理菜の2人だ、この2人も3人に負けない位何かが違う、有理子と理恵は双子だ、だが何故か根本的に有理子と理恵は違う気がする、例えて言えば、有理子は豆腐だ、繊細で脆さも併せ持って居る、普通の人間だ。
だが理恵は大豆だ、納豆にも味噌にも醤油にも何にでも化けられる大本の様な存在、例えが変だが用は元は同じ者だが片方は加工した者、片方は大本、そんな感じがする。
俺はそんな事を今考えていた…………
話が変わって今日は休日、俺は由利菜と優菜を連れて、高尾山にハイキングに来ていた。
「東京にもこんな所があったんですね~」
「ああ、でも東京って言ってもここは少し行くと神奈川、もう少し行くと山梨、用は境の所だな」
「優菜喉渇きました!」
「おお、じゃあ休憩するか!」
「は~い」
「この上に広場みたいな所があってな、そこで弁当食おう、新宿の高層ビルや霞ヶ関、神合ビルも見えるんだぞ?」
「優菜絵を描きますー!」
「そうか、優菜は絵も描けるのか!」
最近二人のお守りは俺の仕事になって居る、この二人も謎が多い、先ず由利菜は年齢の割りに幼すぎる、だが化け物じみて頭が切れる…………
俺は時々由利菜が怖いとさへ思うときが有る。
そして逆に優菜は年齢の割りに落ち着いて居る、しゃべり方や態度は年相応なのだが事が起こると何故か落ち着いて対処する、対照的なこの二人は仲がすこぶる良い。
昼に成り、広場で俺達は昼食を取っていた。
優奈は絵を描いている、そして俺は優菜の描いている絵の違和感に気付き、質問をしてみた。
「優菜? ここから見える絵を描いているんじゃないのか?」
「ここから見える絵を描いているんですよ?」
「でも俺には違うところを描いている様に見えるんだけどな?」
「う~んと、、見えるけど見えない所です」
「成る程、解らん!」
「え~と、ここに描いてある絵は突き通って見える所だけ描いてます」
「詰り過去に有った建物や山を描いてるって事か?」
「多分そうです!」
もし優菜が描いてるのが本当に過去の絵なら、日本にピラミッドが本当に存在してた……
そんな絵だった…………
帰り際に俺は日産のディーラーに寄った。
我が愛車の購入プランを組み立てる為だ、俺がねらうは唯一つ! 日産 NISMO GT-R‼
VR38DETTエンジンに、レース専用車両であるGT-R NISMO GT3に搭載されているGT3ターボタービンを搭載することで、最高出力を600馬力、最大トルクを66.5kgmに向上させている化け物車だ‼
価格の方も一千四百万と化け物なのだが…………
だが今や俺も神合コーポレーションの会長! 買えない車ではない!
そして見ていると由利菜が横に来て
「健様車欲しいんですか~?」
「ああ、こないだの化け物騒ぎの時に俺の車シャカッちまったからな…………」
「九の字に曲がってましたもんね~」
「でもあれも中の人間を守る為に態とそう言う造りに成ってるんだぜ?」
「態と壊れる様に成ってるんですか~?」
「そうだよ、車の至るところにクラッシャブルゾーンって言って、態と曲げたり壊したりしてぶつかる衝撃を吸収したり拡散させているんだ、車事態が固ければ中にダイレクトに衝撃が伝わってしまうだろ?」
「ふ~ん色々考えて有るんですね~」
「よく正面衝突した車のエンジンフードが九の字に曲がっているだろ? あれだって曲がらなければどうなると思う?」
「ガラス突き破って中の人間に刺さっちゃいます~」
「そう、あれは態と曲がる様に中間辺りにクラッシャブルゾーンを儲けて曲げてるんだ!」
「すご~い!」
「まあ、そんなのも有って俺もあばら骨折る位で住んでるだよ、愛車に助けられたんだ、その代わり車が死んじゃったけど…………」
「なら今度の車は由利菜が買います~」
「いや、俺の車なんだ、勿論俺が買うよ」
「だって健様の車由利菜と優菜を守る為に身代わりになってくれたんだもん、由利菜が買う~」
「いや、いいって…………」
「嫌だ~‼ ね? 優菜!」
「うん! 優菜もお小遣い出す!」
優菜を巻き込むとは卑怯な…………ここであの轟音の鳴き声を響かせられたら困る…………
「ん~…………解ったよ、、なら由利菜、優菜、お言葉に甘えよう、じゃあ納車されたら一番初めにまた一緒にドライブに行こうな!」
「は~い!」
結局日産プリンス東京のディーラーに神合コーポレーションまで来てもらう事にして自宅へ戻った。
「へ~、由利菜と優菜に車買って貰うんだ?」
「ああ、二人もどうもあの時の事責任感じてたっぽくてな…………あの子達を守るのなんて当たり前何だけどな、俺の女なんだから」
「健兄さんも多少成長したって事だね?」
「どういう意味だ?」
「前の健兄さんなら由利菜や優菜にお金は出させてないよ!」
「ん? そうかな?」
「そうよ、前の健兄さんだったら私達に強引に守られる事が私達の決まりにしちゃう位の勢いで説得してた」
そうなんだろうか? 確かに俺の中で今まで無かった様な感じが有る。
あの時だってそうだ…………
『久美は角谷母子を頼む、朔耶! 追うぞ‼』
あの時俺はまるで二人が俺と戦う対等のパートナーの様な存在として二人に指示を出していた、今までの俺なら二人を先に逃がしていた…………
よく考えてみたら何故あんな事を言ったんだ?
「自分でも不思議って顔してるわね?」
「楓?…………まあな…………」
「久美の言う通りあなたも随分と成長したのよ、向こうで人生を変える程のあなたに取って生涯の師とも言える人に出逢ったの、その人があなたを変えてくれた 私達に取ってもあなたを変えてくれた恩人とも言える人よ!」
「師? 誰だそれは?」
「それは私達から話す事は出来ないの、いえ、私達はその資格を持たない、加代子に聞きなさい!」
新しい家では母ちゃんも共に暮らして居る、俺は母ちゃんの部屋に行った。
「入るぞ? 何やってんだ?」
「あら~健ちゃん、またママに子供を授けてくれるの~?」
「…………それを言うな…………忘れろ」
「ママはいつでも健ちゃんの子供産んであげるわよ~!」
ペースに飲まれるな! 落ち着いて行けばこのペースに飲まれる事は無い!
だが敵は強大だ、もう攻撃に入って居る
「何故もたれ掛かって来る⁉」
「だってママのお部屋に来たって事は~…………ママとエッチな事をしに来たんでしょう~?」
「何故そうなる!」
いかん! もうペースにハマりつつ有る‼
落ち着け! 落ち着くんだ!
だが既に服を脱ぎ出す、ここでマイサンを持たれれば終わる、肉親に欲情しないとは嘘だ、これだけ美形だとそんな物は速攻で吹き飛ぶ‼
そして…………
俺の頭の中でさだまさしが歌う
貴方は もう忘れたかしら♪
若い母親 女にし~て♪
二人で行った 横丁のホテル♪
一緒に行こうねって♪
言ったのに♪
「うぉぉぉぉぉ、やらせろ~~!」
「健ちゃんたくましいわ~!」
と、言う事で…………またもや奈落の底へ墜落した俺だった…………
「おい、実はやりに来た訳じゃね~…………」
「そうなの~? なら最初に言えば良いじゃな~い? それでな~に?」
「聞いてね~だろ? 俺の話し?」
「聞いてるわよ~、だって愛する健ちゃんの話よ~?」
間違いなく聞いてねー! たくこの親と来たら…………
「楓から俺がタイムスリップした時に、俺の人生の師とも言える人に出逢ったと聞いた、俺の生き方を変えた程の人だって、だが其が誰か、楓はそれを俺に話す資格を持たないって…………母ちゃんに聞けってな…………」
「そう…………楓ちゃんがそんな事言ってたのね……そこまで気を使う必要なんか無いのに…………」
「誰なんだ?」
「健ちゃんのパパよ~」
「だって、俺の親父は事故で死んだんだろ?」
「ん~嘘に決まってるじゃな~い、まだ信じてたの~? 小さい頃に聞かれればそう答えるに決まってるでしょ~う? ドラマとかはみ~んなそう言う設定じゃな~い?」
「ドラマと現実一緒にするんじゃねー! じゃあ母ちゃんは元々向こうの人で、こっちにはタイムトラベルして来たって事か?」
「正確には違うわよ? ママはね? 健ちゃん、悠久の時を生きているの、そしてママはその悠久の時を全て健ちゃんを産んで、健ちゃんのママをやっているの」
「え? なんだ? 何を言っている…………」
母ちゃんは俺を抱き締めて
「健ちゃんはママが健ちゃん以外で唯一愛した人が授けてくれた子なのよ? だからママは健ちゃんを産んで健ちゃんを育て、健ちゃんの子を沢山産んで行く事だけを望みにしてるの、それ以外の事はママはどうでも良いの、地球の事もママはどうでも良いの、健ちゃんが守りたいから一緒に守る事にしたのよ?」
「じゃあ、その母ちゃんが愛した人が、俺の…………」
「違うわよ? 楓ちゃんが言った人は健ちゃんが何度も転生している内の一度だけ父親になった人、その人は健ちゃんの今まで全ての生涯で、一番大きく影響を与えた人、健ちゃんの本当のパパは…………ママのお腹に健ちゃんがいた時に…………ママと健ちゃんを守る為に、、犠牲になって死んだわ、その後は転生していないの、健ちゃんにママを渡したのよ?」
「どういう意味だ? 母ちゃんを渡したって?」
「ママ達の一族はね? 新しい魂が出来るとその魂を導き正しく成長させる為に側で見守る事をするの、魂が本当の意味で独立するまで、時には親であり、時には恋人であったり、また時には守護霊だったり、その役割りをママにしたって事よ! でもね~、ママはず~っと健ちゃんのママでいたいの~、だから~、ママはその役割りを別の人に頼んで健ちゃんのママをず~っとこれからもしていくのよ~‼」
モンスターペアレント!
駄目だこれは、、母ちゃんは俺の親である事を放棄して俺の女である事を選んだんだ! 母親である事を選んだと言ってるが、これは違う‼
唯俺を産む事を他の女にさせたくないだけだ!
この母ちゃんが苦手な理由が今ハッキリと理解出来た! 子離れ出来て居ない超ダメダメな母親何だ‼
しかも転生を俺がする度に俺を産んで俺の母親に成ってるって? そりゃ俺の成長を阻害してるだけじゃねーかよ⁉
対に加代子の本性が明らかになった…………
独占欲の固まり…………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます