ひとりぼっち

天霧朱雀

プロローグ

プロローグ -Zのひとつ前-

 俺はいつだって友達に囲まれていた。だけど誰ともそれ以上になれない。友達以上何かになれないし自分からは望まなかった。自分でも最低な生き方と自覚していたけれど、俺はそんな人生で満足だった。


 だって俺はこの世界が嫌い。だからひとりぼっちでもいい。


 不特定多数に笑顔を振りまいて生きていくのはつらい。寂しい人生だねって言った君がすごく憎かった。君の事が好きだったのに。それなのに、俺の居場所はあってないようなもの。

 あれから二年たつ。君が居なくなってからずっと俺は取り残された気分。あの時以来、人を愛したり信じたりすることはしなくなった。臆病な俺のどうでもいい話。まずは君との話から話してあげる。俺が心の箱に鍵をかけてしまった、あの時の事から。


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