黒い白
黒崎江瑠
prologue Repent
西暦4020年。
地球の資源は底をつき、世界の人口は激減。多くの生き物が連鎖的に絶滅していった。 多くの大陸は海に沈み、自然で溢れていた地球はたちまち荒廃していった。
残された人類は悩んだ。
残された僅かな時間で人類は考えた。 そしてたどり着いた結論は、遠い未来に人類に類似する生命体が発生した場合、全ての知識を生命体に移植し、記憶・知識・技術を継続させるというものだった。
だが、未知の生命体がいつどこで発生するという事は人類にも予測できないことであり、まず発生するかどうかも未知数だった。
そこで人類は人類最期の過ちとも言える計画を企てた。
当時最も発達していたクローン技術と似た技術とレプリカントを使ったものだった。
本来、クローン技術は細胞を使い本人とよく似た個体を作るということ。有性生殖で生まれる人間が無性生殖するということになる。
だが、この計画は人の記憶に重要なデータのみを取り出し他の個体、例えば機械やアンドロイドに移植し生命体が発生するまで守り続ける……いわば量産可能の【生命】を作り出した。
兵役のあるものの記憶を使い兵士を。 知識を持つ者の記憶を使い指揮者を。 最も優れた能力を持つ者に未来を。
それが【
本来滅びるはずだった人類は「滅びたくない」という欲望から生命のバランスを崩壊させた。
「生きたい」という事が罪なのではない。
「本来滅びるはずの種族」が生きながらえてしまった事が罪なのだ。
人類最期の過ちを背負う機械達へ告ぐ。
「お前達は一体何を望む?」
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