俺の青春はゲームで始まる

速水 早田

第1話ゲーム部

高校2年の春、俺はいつも通りの何もない日常を過ごしていた。高校2年にもなると高校にもなれてくる。俺はいつも飲んでいるいちごオレとパンを食べながら1人昼休みを過ごす。まだ教室に戻るには時間が早い。まあいい。俺は1人教室へと向かうため階段を上って行く。そんな変わらない日常が変わることをこの時俺は知らなかった。



「桐川くんにゲーム部の部長をやって欲しいの」

「は?・・・え?いや・・・は?」

つい聞き返してしまう。こいつ今なんて言った?今話しているのは村上めぐみ先生俺のクラスの担任だ。そんなことより今こいつゲーム部の部長とか言ったか?

「すみません。もう一度お願いします。」

「いや、だからゲーム部の部長をやってほしいのだけれど」

「何をおっしゃっておるのかわかりません!!」

いやほんとこいつ何言ってんの!?俺はゲーム部の部員じゃねーよ!?

「だめかな?」

「だめもクソもねえだろ!!なんでゲーム部に入ってない俺がいきなりゲーム部に入部してしかも部長やんなきゃいけないんすか!?」

「いやあのね?今ゲーム部は2年の部員が2人なんだけど2人ともどうしても部長はやりたくないっていうから・・・お願いできない?」

「その・・・さすがにそれはちょっと・・・」

できない。

「いや、普通は部員同士でじゃんけんするとかないんですか?」

「いや、それもやったんだけどね?負けた方が駄々こね始めて別の部員連れてきてその人を部長にすればいいじゃないですか?って聞かないものだから・・・」

涙目で言ってきた。泣かないで下さいよぉ〜。断れないじゃないスカ。

「わ、分かったから泣かないで下さい!」

「ありがとう!じゃ!この紙に名前を記入してね!」

クッソもう帰りたい。やっぱりこの紙捨てようかな・・・と思いながら名前を書く。いやぁー俺偉い!こうやって自分を慰めて名前を書くと

「じゃ、部室に行きましょうか!」

パァァっと明るくなった先生が立ち上がる。

「・・・はい。」

俺は嫌だなぁ〜という雰囲気を出しながら立ち上がる。


無言で先生について行く。何回か逃亡を考えたが諦めた。ほらよくゆうじゃん諦めたら試合終了。逆に言えば諦めれば試合をやんなくていい!関係ねぇよ・・。

「ついたよぉ〜」

あ、はいそうですか。どーでもいいから帰りたい。

すると先生がドアをあける。どうせゲーム好きのキモオタだろ。

「みんな!新しい部長さん、連れてきたよ!」

はぁ部長ってほんとなんだと思いながら部員を見ると女子が3人。まあ俺はこの手に動じない。そうだ!男子達はモテたいからサッカー部とかに入るんだ!その逆に女子にはそういう願望がないから好きな部活に入れるんだ!きっとそうだな。うん。部員達はゲーム片手にこっちを見ている。なんだよ?こっちみんな。

「詳しい活動内容は3人に聞いてね!じゃあ!」

それだけ言うとどっかに逃げてしまった。えぇぇぇ!!!ちょっと?あんたがいないと困るんですけど?

部員3人はこっちをガン見。だからこっち見んなよ。気にしちゃうだろ?しかし全員無言。あー1番嫌なやつや。

マジでどうしよう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る